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滋賀・岐阜の伊吹山で土砂崩れ、シカが植物を食べたせいか 日本でも同様の事例が発生か

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読売新聞ファイル写真
滋賀県米原市伊吹地区が7月2日、岩や土砂に覆われた。

滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山で7月に発生した土砂崩れは、野生のシカが山の植物を食べたために土壌が浸食されたことが原因である可能性が高いと専門家らが指摘している。

シカによる農作物や植生への甚大な被害は、全国各地で問題となっている。7月に住宅に押し寄せた土砂崩れは、シカが原因の初めてのものとみられ、滋賀県などが詳しい調査を進めている。

米原市によると、土砂崩れは7月1日朝、伊吹山麓付近で発生し、伊吹地区に流れ込んだ。

死傷者はいなかったが、住宅4棟が土砂で埋まった。当時、1時間以内の降雨量は34ミリだった。


読売新聞ファイル写真
2023年8月に伊吹山で鹿が見られる。

伊吹山は希少植物の宝庫として知られ、2010年代以降、シカによる植物や樹木への被害が目立ってきた。

周辺には約2万頭のシカが生息しているが、2020年以降、中腹から山頂にかけて植生の浸食が進み、保水力が低下し、大雨の際には土砂崩れが起きやすい状況となっている。

定期的に調査を続ける東京農工大の石川善治名誉教授によると、流れ出た土砂や雨水は中腹の空洞に溜まっていたが、7日の現地調査では、空洞が土砂で埋まり、あふれた水が麓に流れ落ちた跡を確認した。

山の麓近くの谷に水が溜まり、堆積物とともに溢れて土砂崩れが起きたとみられる。


読売新聞

「シカによる農作物の食害は希少植物に被害を与えることが知られているが、土砂崩れを引き起こす危険性もあることを広く知ってもらいたい」と石川さんは語った。

県と市は土砂崩れとシカ被害の関係についても詳しく調査する。

平尾道夫市長は「シカ被害への対応に危機感を持っていたか反省しなければならない」と述べた。

鹿の生息地の拡大

環境省によると、シカの生息地は約40年で2.7倍に拡大し、シカが原因とみられる土壌浸食も各地で報告されている。

岩手県の早池峰山では2010年ごろからシカの生息が確認されている。現在は山麓から中腹にかけて土砂が露出し、雨が降ると下流の川に土砂が流れ込む。県立博物館の鈴木真幌さんは「10年後には伊吹山のような姿になるかもしれない」と懸念する。

2004年、東京・奥多摩の山の露出部分から大量の土砂が流れ出し、水道施設の水門を埋めた。

2009年、原生林が広がる高知県香美町佐折ヶ原地区で、植生の侵食が進行し、土砂崩れが発生した。

こうした事件があるにもかかわらず、同様の事件の数を調べる全国規模の調査は行われていない。

「我々はリスクを認識しており、 [deer] 林野庁の担当者は「今後は個体数抑制などの対策を講じていく」と語った。



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