台風ガエミは熱帯低気圧に弱まり、中国中部に雨を運びながら内陸へ移動

北京（AP通信） — 熱帯暴風雨「ガエミ」は、木曜日夜に中国東海岸に台風並みの強さで上陸した後、内陸部に移動し、土曜日には中国中部に雨をもたらした。

この嵐により中国では木が倒れ、道路が冠水し、農作物が被害を受けたが、死傷者や大きな被害の報告はない。ガエミは台風の強さで台湾を横断し、その後海を越えて中国に向かったが、台湾では8人が死亡した。

しかし、最も多くの死者が出たのは、ガエミ台風が先に通過したものの直撃は受けなかったフィリピンだ。当局は金曜日、死者数は着実に増え、34人に達したと発表した。台風は東南アジア諸国の季節的なモンスーン雨を悪化させ、地滑りや深刻な洪水を引き起こし、周囲の水位が上昇して人々が屋根の上に取り残された。

中国

ガエミは木曜日の夕方に福建省沿岸に上陸して以来、熱帯暴風雨に弱まっているが、今後数日間に北西に進み江西省、湖北省、河南省に渡って大雨をもたらすと予想されている。

中国メディアの報道によると、福建省では約85ヘクタール（210エーカー）の農作物が被害を受け、経済損失は1150万元（160万ドル）と推定されている。この嵐のため29万人以上が避難を余儀なくされた。

中国国営の新華社通信によると、今週、甘粛省で数日間に渡る大雨により、同国北西部で1人が死亡、3人が行方不明になった。

台湾

台湾南部と中部の一部地域で深刻な洪水が発生し、車やスクーターが路上に流された後、住民や事業主らは金曜日、泥を掃き出し、水を拭き取った。一部の町は腰の高さまで水に浸かったままだった。

8人が死亡し、うち数人は倒木に当たり、1人は土砂崩れで自宅を直撃された。緊急対策本部によると、負傷者は850人以上、行方不明者は1人となっている。

台湾の中央通信社によると、頼清徳総統は金曜日、南部で甚大な被害を受けた高雄市を訪れ、同程度の雨量をもたらし681人の死者を出した2009年の台風以来、同市が洪水対策の改善に努めてきたことを称賛した。

頼氏は、深刻な洪水被害を受けた地域の世帯に2万台湾ドル（610ドル）の現金支給を行うと発表した。

中央通信社によると、台風の最中に高雄港付近の沖合で貨物船が沈没し、その後船長の遺体が海中から引き上げられたという。他の数隻の船も嵐で座礁した。

フィリピン

フィリピンでは少なくとも34人が死亡した。主な原因は、台風（フィリピン名カリーナ）が同諸島の東海岸を通過した際に激化した数日間のモンスーン雨によって引き起こされた洪水と土砂崩れである。

警察によれば、犠牲者にはマニラ首都圏の住民11人が含まれており、広範囲に及ぶ洪水により人々が家の屋根や上階に閉じ込められたという。浸水した地域で溺死したり感電死した人もいた。

フィリピンのフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は今週初め、人々が数日間食事を摂っていない可能性があるとして、当局に対し、孤立した農村への食糧やその他の支援物資の配達を加速するよう命じた。

バタンガス州山間の田舎町アゴンシージョで、土砂崩れにより掘っ建て小屋が埋もれ、水曜日に妊婦1人と子ども3人の遺体が掘り出された。