2024年7月23日 17時30分(日本時間)
ソウル(ロイター) – 韓国のIT大手カカオの創業者で億万長者のキム・ボムス氏が、昨年のK-POP事務所買収の際に株価操作を行った容疑で火曜日に逮捕された。
この訴訟は、韓国最大のチャットアプリを運営するカカオにとって、昨年同社と別の幹部が同じ買収の際に不正行為をした疑いで裁判にかけられたことを受けて、最新の法的展開となる。
ブライアン・キムとしても知られるキム氏は、2010年にチャットアプリを立ち上げて以来、資産総額86兆ウォン(620億ドル)に上るカカオの関連会社グループをゼロから構築した韓国デジタル業界の先見の明のある人物とみなされている。
業界の専門家らは、同氏に対する訴訟はカカオの人工知能への投資や海外展開計画を危うくする可能性があると指摘した。
検察は、キム容疑者が昨年2月にSMエンターテインメントの株価操作に関与し、ライバル企業のハイブによる買収を妨害したと主張している。
同社は声明で、キム氏は容疑を否認し、違法行為を命じたり容認したりしたことは一度もないと述べた。同氏は今のところ正式に起訴されていない。カカオとキム氏の弁護士は火曜日、これ以上のコメントをすぐには発表しなかった。
この著名なテクノロジー起業家はカカオ社の筆頭株主であり、自身と関連企業が24%の株式を保有している。
ソウル南部地方裁判所は、証拠隠滅の恐れとキム氏が逃亡の恐れがあるため、逮捕状を承認したと裁判所関係者は火曜日に述べた。
検察の広報担当者は、キム氏はソウル南部拘置所に拘留されていると述べた。韓国の刑事手続きに従い、彼の拘留は最長20日間続き、その間に検察は起訴するかどうかを決定する前にさらに捜査を行う予定である。
韓国の金融規則では金融犯罪で有罪判決を受けた者は銀行の株式を10%以上保有することが禁じられているため、キム氏に対する訴訟の結果次第では、カカオグループによるオンライン銀行部門カカオバンクの支配が危うくなる可能性がある。
業界専門家によると、カカオは規制当局の監視を受ける可能性も高く、同社が人工知能(AI)への投資や海外事業拡大に関する重要な決定を下すのはより困難になるという。
同社は今年、新たなAIサービスを導入する予定だ。カカオ社の株価は、年初来24%下落した後、午前中の取引で3.4%下落し、11月以来の安値となった。