2024年7月14日 17時06分(日本時間)
京都府宇治市(時事通信)―京都アニメーション放火事件から5年となる木曜を前に、京都府宇治市で日曜、犠牲者を追悼する慰霊碑建立式が行われた。
宇治市茶と宇治の歴史公園内に建てられた高さ3メートルのアルミ製のモニュメントは、犠牲者36人の個性を象徴するデザインで空高く舞い上がり、「夢と情熱は人から人へ」などの文字が刻まれている。
東京芸術大学は、事件に関連して国内外から寄せられた寄付金の一部を活用して、犠牲者を追悼する初の記念碑の制作を担当した。
式典には遺族や京都アニメーションの八田英明社長、西脇隆俊京都府知事ら約100人が出席した。
式典では同社社員代表からのメッセージが読み上げられ、この記念碑が多くの人々にとってのシンボルとなることを願う声が聞かれた。
続いて八田氏は宇治市への記念碑寄贈を記念する文書を松村厚子宇治市長に手渡した。
遺族代表のスピーチで、娘を亡くした男性は「京アニの作品が多くの人の心の中に残り、亡くなったスタッフの魂が生き続けることを願います。私たちは前進し続けます」と語った。
「今までは、自分たちの思いを表明できる公式の場がなかった」と愛知県在住で京アニファンの福井幸治さん(38)は言う。「だから、いろんな人がここに来て、京アニと宇治が未来に向かって発展していくことを願っている」
2019年7月18日に36人が死亡、多数が負傷した事件が発生した京都市の同社第1スタジオの跡地に、慰霊碑を建てる計画も進んでいる。