2024年6月27日 15時43分
大量消費社会の象徴としてゴミを題材にしたユニークなオブジェやインスタレーションを制作してきた現代美術家の三島喜美代さんが6月19日に亡くなった。91歳だった。
葬儀は家族や近しい人たちによって執り行われた。
大阪生まれの三島は、1970年頃から新聞紙やチラシ、空き缶などをくしゃくしゃにした印刷物を陶板に転写する彫刻を制作し始めた。大量消費社会や情報化社会をユーモラスに批判する作品は国内外で高く評価され、1974年にはイタリア・ファエンツァ陶芸美術館で開催された国際陶芸展で金賞を受賞。
三島さんは2005年、香川県直島に高さ約5メートルのゴミ箱のインスタレーション作品を制作。作品の一部は大英博物館やシカゴ美術館に所蔵され、2021年度文化庁長官賞を受賞した。死去は、東京都練馬区の練馬区立美術館で「三島喜美代 未来への記憶」展が開催されていた時期と重なった。