ホーム Fuji 失われた伝統歌が仙台まつりで復活。木材運搬作業員の掛け声から生まれたとされる

失われた伝統歌が仙台まつりで復活。木材運搬作業員の掛け声から生まれたとされる

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The Yomiuri Shimbun
色とりどりの法被を着た踊り手たちが5月18日、仙台市青葉区の商店街で踊りを披露した。

仙台 — 69年間忘れられていた伝統歌が先月、仙台の毎年恒例のお祭りで復活した。

「仙台祭り木遣り音頭」は江戸時代(1603~1867年)に仙台藩によって作られたもので、1955年以来初めて披露された。夏の到来を告げる2日間の仙台青葉まつりで披露された。

祭りの開会式直前の18日午前10時ごろ、青葉区勾当台公園に設けられたステージに、紫と紺の法被姿の男たち約30人が登場。歌の終盤では「木遣り師」と呼ばれる歌手が錫杖を振り、仙台の街を思わせる歌詞を感動的に歌い上げた。他の男たちも「いやそれはよほほい」と喉を鳴らしながら合唱した。

この歌を披露したのは、祭りを主催する協会の会員で構成された「伊達木遣り会」。メンバーは空き時間に週に一度集まり、歌を書き写したり、斉唱の練習をしたりして準備してきた。


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伊達木遣り会のメンバーが5月18日、仙台市青葉区で69年ぶりとなる「仙台まつり木遣り音頭」を披露した。

この曲は、山から木材を運ぶ作業員の掛け声が起源とされる木遣り労働歌の一つ。主催団体によると、江戸時代には青葉まつりの前身である仙台まつりで披露され、明治時代には区内の青葉神社の例大祭で歌われたという。

しかし、第2次世界大戦後は交通量の増加で祭りの開催が難しくなり、西洋文化の普及で歌う人も減ったため、次第に演奏は廃れていったと同協会は説明する。

同協会は約2年前、仙台の歴史に関する本でこの歌の録音があることを知り、関係者に話を聞いたり、関係資料を調べたりして復活を目指した。

69年ぶりの公演となった同歌謡祭で、伊達木遣り会副会長の菅原清秀さん(67)は、100点満点で50~60点とやや厳しめの採点を付けた。

それでも「仙台の文化を応援しているつもり。歌を復活させたことを誇りに思う」と満足そうに大きくうなずいた。


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5月18日、仙台市青葉区で住民らが仙台青葉まつりを楽しんでいる。



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