2024年6月5日 17時15分
ロンドン、6月5日(ロイター) – 故エリザベス女王の後を継いで国家元首となってからほぼ2年が経ち、チャールズ皇太子の肖像が描かれた紙幣が水曜日、英国で流通し始めた。
イングランド銀行が発行する5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンドの新紙幣にはチャールズ皇太子の肖像画が描かれる。エリザベス女王の肖像画が描かれた既存の紙幣は引き続き流通する。
このアプローチは、この変更による環境と財政への影響を最小限に抑えるための王室の指導に沿ったものだとイングランド銀行は述べた。「これは、一般の人々が新しいチャールズ3世紙幣を徐々に目にし始めることを意味します。」
エリザベス女王は、1,000年以上もの間、イギリスの硬貨に王や女王の肖像が描かれてきたのとは対照的に、イギリスの紙幣に描かれた最初の君主である。
新紙幣のデザインは、チャールズ皇太子を描いた硬貨が流通し始めた直後の2022年12月に発表された。新君主以外、紙幣のデザインに変更はない。
英国では近年、消費者がデビットカードやその他の電子決済を好むようになり、現金の使用が急激に減少している。
英国小売業協会によると、2014年には店舗での取引の半分以上を現金が占めていたが、2021年にはCOVID-19による制限もあって15%にまで落ち込み、2022年には19%にまで上昇した。
イングランド銀行総裁アンドリュー・ベイリー氏は水曜日、「国民が要求する限り、我々は紙幣を供給することに全力を尽くす。今回の新紙幣の流通はその決意の表れだ」と述べた。
英国政府は昨年、銀行に現金への容易なアクセスを確保することを義務付ける法案を可決した。