木村誠、米山裕之/読売新聞記者
2024年7月10日 15時50分(日本時間)
山梨県富士吉田市 — 山梨県が登山規制を導入してから1週間、夜間に富士山の山頂へ「弾丸登山」する人の数が昨年の同時期と比べて90%減少した。
登山料金や一日の入場者数の上限といった制限は富士山では初めて導入された。
この発見は、山梨県富士吉田市が収集した登山者数データを読売新聞が分析した結果に基づいている。
規制は良い効果をもたらしていると考えられており、一部の関係者は弾丸登山者の数が劇的に減少したと述べている。
富士山は山梨県と静岡県の境にまたがっている。山梨県は7月1日から9月10日までの登山シーズン中、午後4時から午前3時まで5合目の臨時ゲートを閉鎖する。県は1日あたりの来訪者数を4,000人に制限しており、山梨県側の登山道からの登山者は1人2,000円の入場料を徴収している。
富士吉田市が六合目の富士山安全指導センターで集計したデータによると、7月1日の開門から1週間で午後5時から午前2時までの間に六合目を通過した登山者は394人だった。
この数字は、その週の登山者総数の3.4%にあたる。昨年の同じ週には、同じ時間帯に1,167人の登山者がおり、総数の9.6%にあたる。
午後9時から午後11時までに数えられた登山者の数は、山頂で日の出を狙う急行登山者も含まれているとみられるが、わずか21人で、昨年の400人から94.8%減少した。
七合目にある山小屋「釜岩館」の岩佐勝義さん(45)は「夜間の登山者はほぼゼロで規制が効いている。一方で、昼間の登山者は少し増えたように感じる」と話す。
一方、規制のもう一つの目的であるトレイルの混雑緩和が達成できるかどうかはまだ分からない。
県は、富士山開山後最初の1週間で1万3217人の登山者が五合目のゲートを通過できたと発表した。
一日平均の登山者数は1,888人で、4,000人を超えた日はなかった。
しかし、県によると、1日1000件以上の予約が入っており、今週と来週の土曜の日中登山の予約はすでに満杯だという。
「登山道は混雑していて、自分のペースで登れない時もあった。もっと人がいたら、登るのは大変だっただろう」と、友人と初めて富士山に登った東京都練馬区の会社員、24歳は語った。
富士吉田市の担当者は「これから登山者も増える。規制が登山者にどう影響するか注視していきたい」と話した。
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