ロイター
2024年6月13日 17時46分
エルサレム/ベイルート、6月12日(ロイター) - ヒズボラは、イスラエルの攻撃でヒズボラの上級野戦司令官が死亡したことに対する報復として、8か月前に国境を越えた戦闘が勃発して以来、イスラエルに向けて1日で最多のロケット弾を発射した。
イランが支援するヒズボラとイスラエルは、10月にガザ紛争が勃発して以来、砲火を交えており、着実に敵対行為が激化しており、重武装した両国間の対立がさらに激化するのではないかという懸念が高まっている。
イスラエルとレバノンの治安筋3人によると、火曜夜遅くにレバノン南部のジュアイヤ村で行われたイスラエル軍の攻撃で、ヒズボラの上級野戦司令官タレブ・アブダラ(通称アブ・タレブ)とともにヒズボラ戦闘員3人が死亡した。
情報筋の一人によると、彼は8か月に及ぶ戦闘中に殺害されたヒズボラの最高位の司令官だった。
イスラエル軍は、司令部と管制センターへの攻撃で彼と他の3人のヒズボラ戦闘員を殺害したことを確認した。
レバノンの情報筋によると、彼は南部国境地帯の中央地域を担当するヒズボラの司令官だったという。
ヒズボラは水曜日、イスラエルに対して少なくとも17回の作戦を実施したと発表しており、そのうち8回はイスラエルによるジュアイヤでの「暗殺」への報復として行われたものだという。
1件目では、ヒズボラの戦闘員がイスラエルの軍事工場に誘導ミサイルを発射した。別の1件では、ヒズボラはアイン・ザイティムとアミアドにあるイスラエル軍本部と、メロンにあるイスラエル軍の航空監視基地を攻撃したと発表した。
治安筋によると、同組織は水曜日を通じてイスラエルに向けてロケット弾約250発を発射した。これは今回の紛争で1日当たりの発射数としてはこれまでで最多。100発以上のロケット弾が一度に発射され、10月に戦闘が始まって以来、同組織による最大規模の集中砲火の一つとなった。
ヒズボラが支配するベイルート南部郊外で行われたアブダラ氏の葬列で演説したヒズボラの幹部ハシェム・サフィディン氏は、アブダラ氏の殺害に対する報復として、ヒズボラはイスラエルに対する作戦の激しさ、力、量を増やすだろうと語った。
「もし敵がパレスチナ北部で起こったことについて叫び、嘆いているのなら、泣き叫ぶ覚悟をしておくべきだ」とサフィエディン氏は語った。
鳴り響くサイレン
イスラエル北部でサイレンが鳴った。
イスラエル軍は、水曜日にイスラエル北部に向けて発射された弾丸の後、同軍の戦闘機がレバノン南部の複数の発射地点を攻撃したと発表した。
イスラエル軍はこれに先立ち、ヒズボラがレバノン南部からイスラエル占領下のゴラン高原に向けて約50発の弾丸を集中砲火したと発表していた。
イスラエルは2度目の発表で、レバノンから飛来した約90発の砲弾が確認され、そのうちいくつかは迎撃されたが、他の砲弾はイスラエル北部の数か所に落下し、数地域で火災が発生したと述べた。
イスラエルの声明が2回の別々の発射について言及しているかどうかは明らかではない。
イスラエル軍は、戦闘機がレバノン南部の2つの地域にあるヒズボラの発射施設を攻撃し、砲撃が3つ目の場所を砲撃したと発表した。
イスラエル側に死傷者は出ていないが、消防士らが各地でヒズボラの攻撃により発生した火災と消火活動を行っているという。
匿名を条件に語ったレバノンの情報筋によると、火曜日に殺害されたヒズボラの司令官アブダラ氏は、1月にイスラエルの攻撃で殺害されたヒズボラの高官ウィサム・タウィル氏の上司だったという。
パレスチナの過激派組織ハマスは声明で、アブダラ氏を偉大な指導者と呼び、同氏の死に哀悼の意を表した。
治安筋によると、ヒズボラのメンバー4人は会議中に標的にされた可能性が高いという。
イスラエルの攻撃により、レバノン国内のヒズボラ戦闘員約300人が死亡した。ロイター通信の集計によると、両国が最後に大規模な戦争を繰り広げた2006年の死者数を上回り、民間人の死者数は約80人となっている。レバノンからの攻撃でイスラエル軍兵士18人と民間人10人が死亡したとイスラエルは発表している。
イスラエル軍は、現地工作員がヒズボラに関する「正確で質の高い情報」を集めた後に標的とした少なくとも100人を含む、320人以上のヒズボラ構成員を殺害したと発表した。
もっとニュース