2024年5月31日 16時55分
大手大学病院が病床不足などを理由に脳死患者からの臓器提供を断る事態が相次いだことを受け、厚生労働省は臓器移植を行う医療機関への監視を強化する方針だ。
同省は木曜日、この問題を認識していなかったことを認めた。問題を把握するため、臓器提供の仲介機関である日本臓器移植ネットワーク(JOT)を通じて、拒否された臓器の数と拒否理由の報告を受ける予定である。
この計画は、木曜日の参院厚生労働委員会で、厚生省健康・生活衛生局長の大坪弘子氏が日本維新の会の梅村聡参院議員の質問に答えた際に明らかにされた。
2月現在、心臓と肺の移植はそれぞれ11施設、肝臓の移植は23施設、膵臓の移植は21施設、小腸の移植は13施設、腎臓の移植は122施設あり、JOTはこれらの施設を通じて、移植を待つ患者のために臓器を調達している。
臓器提供の辞退は読売新聞の報道や日本移植学会の調査で明らかになった。ただ、調査は東京大、京都大、東北大の3大学病院に限定されており、他の移植施設の状況は不明だ。
大坪氏によると、移植施設は臓器提供を拒否するたびに、その理由をJOTに報告している。しかし、拒否した臓器の数や拒否理由を厚労省に報告する仕組みはない。
「JOTにそのようなケースの数と理由を報告してもらいます。 [for those cases] 大坪氏は「毎年政府に寄付している」と語った。
参院の委員会では、財務省に報告を求めるかどうかも議論される見通し。財務省は要請があれば報告する方針だ。
同日の会合で、武見敬三厚生労働相は、この問題をどう捉えているかと問われ、「臓器提供の増加に追いつけないのは大変残念だ。円滑な移植ができるよう、関係学術団体と連携しながら対応していきたい」と述べた。
JSTの調査によると、3大学の病院は2023年に62の臓器提供を断った。具体的には、肺36、肝臓16、心臓10である。理由を複数回答で尋ねたところ、共通の理由は施設とスタッフの不足であり、「集中治療室の空きがない」ために20件の移植が行われず、手術室の準備ができていないために12件が拒否された。
政府は信頼の喪失を避けるべく動く
政府はこれまで、臓器提供を拒否する医療機関の問題に対しては「移植医療体制は学会などが整備すべき」と慎重な姿勢を示してきた。
政府がすべての移植施設での臓器受け入れ状況を監視し始めるという決定は、医療移植を推進するためには国民の信頼が必要であるにもかかわらず、その信頼が失われるかもしれないという懸念を反映しているようだ。
この動きは、元旦の読売新聞の報道で明らかになったこの問題に対する前進であり、移植施設が臓器提供を拒否せざるを得なかった経緯を明らかにするのに役立つだろう。
脳死ドナーから提供された臓器を仲介する順序は、厳格な基準によって決定されます。
日本移植学会の緊急調査によると、3大学の病院が移植を拒否した62件のうち54件は、他施設の優先度の低い患者に移植されていた。
残りの8つの臓器は、他の施設が医学的理由により拒否したため、移植には使用されなかった。
梅村氏は木曜日の国会質疑で「臓器移植法に定められた公平性が担保されておらず、極めて重大な問題だ」と政府を批判した。
政府が早急に事態を明らかにし、問題に対処するための有効な対策を講じることが期待される。