水野翔、沖村武司/読売新聞記者
2024年6月26日 16時22分
ロンドン — 天皇陛下は、皇室ご夫妻の公式訪問の一環としてロンドンのバッキンガム宮殿で火曜日に行われた公式晩餐会で、日本と英国の友好関係の重要性を強調された。
天皇陛下は、第二次世界大戦中の両国間の対立の歴史に触れ、「両国の友好関係が損なわれた悲しい時期もありました」と述べられた。
チャールズ3世とカミラ王妃がウィリアム王子、エドワード王子、その他の王族やゲストを含む約170人の出席者を前に開いた晩餐会で、天皇陛下は両国関係が力強く発展していると述べ、両国関係を自身の趣味である登山に例えた。
天皇陛下は「先人たちが歩んできた道を辿り、感謝と尊敬と誇りの気持ちを胸に、雄大で裾野の広いこの山をさらに高く登る機会を与えられたことは、私たちにとって幸運なことと言えるでしょう」と述べられた。
これに対し国王は、「我々のパートナーシップの根底にあるのは、緊密な友情だ。それは、最も暗い時代を含む歴史の教訓から築かれた、国際ルールと国際機関の重要性についての相互理解に基づくものだ。今日、これらの原則がかつてないほど挑戦を受ける世界に直面している中、我々が共有する自由、民主主義、法の支配という価値観は、これまで以上に重要になっている」と述べた。
‘Eikoku ni Okaerinasai’
晩餐会は、弦楽器やハープなどの音色が響き、和やかな雰囲気で進行。英国に留学した天皇皇后両陛下に対し、国王が日本語で「英国にお帰りなさい」と挨拶すると、宴会場は笑顔で包まれた。
皇帝は、チャールズ皇太子から授与されたばかりの英国最高位の騎士団であるガーター勲章を燕尾服に着け、皇后はティアラをつけた白いローブのデコルテを着けていた。
宴会のテーブルには、宮殿やウィンザー城の庭園から集められたバラやカエデの苗木などが飾られていた。
国王は歓迎の挨拶で、日本と英国の国民の永続的な絆が両国の協力関係を支えていると強調した。その後、チャールズ皇太子は「カンパイ」と言い、天皇とグラスを合わせた。
国王は演説中、隣に座る天皇陛下に直接語りかけるような口調で話した。天皇陛下は演説に耳を傾けながら、国王の顔を見ながら、時折うなずいていた。国王は演説の中で、ハローキティやポケモンなど日本の人気文化に言及し、聴衆から温かい笑いを誘った。
天皇陛下は、お言葉の中で、故エリザベス女王の招待で英国を訪問された昭和天皇と上皇陛下のご挨拶を紹介された。
「1971年の国賓晩餐会で、祖父は、日本と英国の両国の人々が様々な分野でこれまで以上に緊密に、頻繁に交流し、心を開いて話し合うことを心から望んでいると述べられました。また、1998年の国賓晩餐会でも表明されたように、両国民が真の相互理解を目指して努力を続け、世界の平和と繁栄のために手を携えていくことは、父の心からの願いでもありました」と天皇は述べた。
天皇陛下は、戦後、両国関係の改善と友好の育成に尽力された方々に敬意を表しつつ、「今回の英国訪問が、両国間の友好と善意を、これから両国関係を担い、さらに発展させていく若者や子供たちにしっかりと受け継いでいく一助となれば、この上ない喜びです」と述べられた。
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