1960年代は日本にとって激動の時代でした。日米安全保障条約に対する抗議運動や全般的な政治的混乱により、革命の気配が漂っていました。
しかし、それはまた、新しいタイプの日本人の精神が歓喜に沸いた時代でもありました。日本は第二次世界大戦後の経済復興に向けて順調に進んでいました。1964年には、初の東京オリンピックが成功し、世界初の新幹線が運行を開始しました。そして文化の分野では、日本が西洋の古典的伝統を公式に取り入れ、国立バレエ団と国立劇場を設立する30年以上も前に、東京バレエ団が誕生しました。
同バレエ団は、クラシックバレエと前衛的な現代作品をバランスよく取り入れた多彩なレパートリーで長年評判を得てきました。創設者であり長年エグゼクティブディレクターを務めた佐々木忠嗣氏のたゆまぬ努力のおかげで、同バレエ団はヨーロッパやロシアの数多くの著名な振付師や教師の支持を得ています。スイスのバレエ団ベジャール・ローザンヌの創設者でありフランス人振付師のモーリス・ベジャールは、同バレエ団の最も有名な国際的協力者の一人です。
