東南アジアの国カンボジアで教師が不足する中、東京を拠点とするスタートアップ企業が同国に日本式の幼稚園を開園した。
幼児向け認知発達アプリで知られ、世界150カ国以上で300万人以上のユーザーを持つワンダーファイ社は、首都プノンペンに同スクールを開設し、今後は全国に事業を拡大する計画だ。
先月行われた同園の開園式で、ワンダフィーの最高クリエイティブ責任者である川島啓氏は、同園ではゲームをベースにした授業を行う予定であり、この戦略はカンボジア政府関係者から賞賛されていると語った。
カンボジアの首都プノンペンに開園したばかりの幼稚園。東京を拠点とする幼児教育アプリ開発会社ワンダファイが運営。カンボジア政府の認可を受け、日本式の教育方法を取り入れている。(共同)=共同通信
カンボジア政府によれば、カンボジアの教育制度は、1975~79年のクメール・ルージュ政権による教育者を含む知識人の殺害の余波で苦境に立たされている。
教育・青少年・スポーツ省幼児教育局長プラク・コサル氏によると、国内には幼稚園教諭を養成する公立機関が一つしかなく、その結果、5歳児のうち就学前教育を受けているのはわずか65%という状況になっている。
ワンダフィーの地域支部長、渡辺大樹氏は、地域によっては専門的な訓練を受けていない地元住民が教師として活動することもあると語った。
カンボジアの首都プノンペンに開園したばかりの幼稚園。東京を拠点とする幼児教育アプリ開発会社ワンダフィーが運営。カンボジア政府の認可を受け、日本式の教育方法を取り入れている。(共同)=共同通信
ワンダフィーの幼稚園は、日本で幼児教育の経験を持つ園長が運営しており、西日本の松山市に拠点を置く保育事業者「マミーズファミリー」と提携して運営されている。
3月以降、日本人を含む2~6歳の児童約40人が入園した。授業は主に英語で行われるが、希望者には日本語の授業やアプリを使った教材も提供している。
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