東京電力ホールディングス(東電)は木曜日、メルトダウンした福島第一原子力発電所の2号機から核燃料デブリを取り出す実験作業を中止した。
この停止は、同社が準備作業中に瓦礫除去装置の設置手順でミスを発見したことを受けてのものだ。
東京電力は木曜日に実験作業を再開せず、金曜日以降に何をするかまだ決めていない。
木曜日の作業は、2011年3月に大地震と津波により同原発で発生したメルトダウン事故以来、同社が原子炉格納容器から瓦礫を除去する初めての作業となるはずだった。
東京電力によると、準備作業は木曜午前7時25分ごろから始まっていた。
遠隔操作できる釣り竿のような伸縮式装置を原子炉格納容器との接続部ぎりぎりまで差し込んだが、装置の取り付け手順に誤りがあることが作業員に見つかり、作業が中断された。
東電は当初、原子炉格納容器内に装置を挿入し、約2週間かけて容器の底にたまった最大3グラムの残骸を取り出す計画だった。
原発1~3号機には事故後、約880トンの瓦礫が堆積したと推定されるが、瓦礫の正確な状況は不明だ。
事故の高温により溶け落ちた原子炉の部品と核燃料が固まったデブリの採取は、廃炉作業の中で最も難しい作業と言われている。
東京電力は2021年にデブリ取り出しの実験作業を開始する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大による海外での関連機器開発の遅れなどもあり、3度延期した。