フランスの映画スターで、そのアイドル的イメージとジェームズ・ディーンのような人格により、フランスで最も有名な俳優の一人となったアラン・ドロンが亡くなった。享年88歳。
フランス通信社はドロンの子供たちの話として、同俳優がフランス・ロワレ県ドゥーシーの自宅で「安らかに」亡くなったと報じた。
1957 年に最初の映画に出演して以来、ドロンはライバルであり、時には演技パートナーでもあったジャン＝ポール・ベルモンドと肩を並べるほど、フランス映画やファン雑誌に頻繁に登場していた。ドロンは典型的にはハンサムな反逆者やギャング、冷たくよそよそしく、少し陰険な役を演じていた。
1970年にニューヨークタイムズ紙は、彼の「潤んだ青い目はフランスにとって、米国におけるポール・ニューマンのような存在である」と評した。
フランスでは、ドロンは80本ほどの映画やテレビシリーズに出演したが、その多くは警察ドラマやアクションドラマだった。男性版ブリジット・バルドーとして知られるセックスシンボルのドロンは、その印象的な容姿と役柄から「美少年キラー」と呼ばれた。批評家によると、彼の最も有名な作品は「サムライ」（1967年）での殺し屋役と、フィルム・ノワール監督ジャン＝ピエール・メルヴィルと共演した「レッド・サークル」（1970年）での泥棒役だった。
ドロン自身は、悪徳美術商の主人公を演じた「ムッシュ・クライン」（1976年）を自身の最高傑作だと評価している。ジョセフ・ロージー監督のこの映画は、フランス国民の映画賞であるセザール賞を3回受賞した。
