ホーム Fuji 3大病院が昨年62件の臓器移植を拒否。手術を断ったことで待機リストが混乱

3大病院が昨年62件の臓器移植を拒否。手術を断ったことで待機リストが混乱

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東京大学医学部附属病院提供
東京大学病院の医師らが肺移植手術を行っている。

最近の調査によると、臓器移植の実績でトップクラスを誇る日本の三大病院は、主にシステムと人員の不足により、昨年、脳死臓器提供による手術を繰り返し断念した。

国内の臓器提供件数は増加傾向にあるが、移植手術は拒否されている。こうした背景から、日本移植学会は東京大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、東北大学医学部附属病院を対象に初の調査を実施した。

調査が行われる前の1月、読売新聞は、病院が臓器の提供を受けても移植ができないケースがあると報じていた。

これらの病院では23年に62件の臓器移植が見送られた。その3割は集中治療室(ICU)の空き不足が原因だった。京都大学医学部附属病院では、手術の機会を逃した患者1人が死亡した。

集中治療室のスペース不足に加え、手術室の不備が手術中止の原因として12件、院内ルール「移植手術を2回行った翌日は行わない」などが10件の手術断りの原因として挙げられた。調査では手術ごとに複数回答とした。

東京大学病院は36の臓器の移植を断念し、京都大学病院は19、東北大学病院は7の順となった。

臓器別では、肺が36件、肝臓が16件、心臓が10件だった。

日本臓器移植ネットワークは、待機期間や病状の深刻度などに基づいて優先順位をつけた待機リストを管理し、リストの上位の患者に臓器を提供するよう病院に要請している。

3病院が移植を拒否した62の臓器のうち、54は他病院の患者に移植された。残りの8つは「移植に適した状態ではない」との医学的理由で移植されなかった。

死亡した患者について、京都大学病院は読売新聞の取材に対し「ドナーの病状、全身状態の悪化による手術の困難さ、当院の手術準備状況などを総合的に判断し、移植を断念した」と文書で回答した。

移植手術を見送る決定の背景には、臓器の移植先として想定される場所が3病院に集中していることがある。昨年は過去最多の132人の脳死ドナーが集まり、肺、肝臓、心臓の提供による移植が352件行われた。移植件数では東京大学病院が88件で最も多く、次いで京都大学病院が36件、東北大学病院が34件だった。



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