ホーム Fuji 鹿児島県警:警察官の不正行為は隠蔽されているのか?

鹿児島県警:警察官の不正行為は隠蔽されているのか?

18
0


鹿児島県警の元幹部が、組織の最高責任者である県警本部長を「不正を隠蔽した」と告発した。異例の事態だ。警察は真相究明を急ぐべきだ。

県警は5月、警察内部の文書を外部の第三者に漏洩した疑いで、県警本部生活安全部の元部長、本田隆容疑者を逮捕した。

6月5日に開かれた勾留理由開示手続きで、本田容疑者は情報漏えいを認め、「野川昭輝県警本部長が警察官の犯罪行為を隠蔽しようとした事実は許せない」と述べた。

生活安全部長は一般職の最高職の一つで、警察庁出身の総合職である県警本部長を補佐する立場。部長が本部長を非難するのは前例がない。

松村善文国家公安委員長が7日の記者会見で「事件の全容解明が重要」と述べたのは当然だ。混乱は一刻も早く収束させなければならない。

本多さんが野川氏によって隠蔽されたと主張する事件は、いずれも現役警察官によるものだ。女子トイレ盗撮事件や、県警が住民から集めた情報をまとめた「巡回連絡簿」の不正使用事件などだ。

盗撮事件は昨年12月に発生し、当時現役警察官だった本田容疑者は野川容疑者に捜査を依頼したという。しかし、野川容疑者は「 [the suspect] 「最後のチャンス」や「彼を解放して監視する」などの発言を繰り返し、すぐに捜査を開始しなかった。

結局、今年3月に定年退職した本田氏が内部文書を漏洩し、盗撮容疑で5月に逮捕された。逮捕までに実に5カ月を要した。

しかし、巡回連絡帳の不正使用事件については詳細が明らかにされていない。また、現役警察官によるストーカー行為事件もあった。この二つの事件に関連はあるのだろうか。

県警の対応には疑問点が多く、県民の不信感を招きかねない。

野川氏は7日、「隠蔽の意図で指示したことは一度もない」としながらも、事件の詳細についての説明を避け続けている。これでは県民の納得は得られない。

県警では昨年10月にも内部文書の漏えいが発覚。今年も警察官による強制わいせつ事件があり、本田容疑者を含め計4人の逮捕者が出ている。

県民の安全を守る組織として嘆かわしい事態だ。混乱は深まり、県警は当事者としての捜査能力を失っているとみられる。

警察庁の露木康弘長官は「県警に対して必要な監察を行う」と述べた。警察庁が先頭に立って関係者への聞き取り調査を進める必要がある。

(読売新聞2024年6月8日号より)



もっとニュース

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください