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防衛省・自衛隊のスキャンダルで与党が動揺、防衛費増額への取り組みに影響懸念

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読売新聞ファイル写真
東京都新宿区にある防衛省本庁舎

防衛省・自衛隊をめぐる数々の不祥事が、防衛力の強化や財源確保のための増税を巡る議論に影響を及ぼす恐れがあるとして、与党自民党内で懸念が高まっている。

一部では、このスキャンダルが木原稔防衛相の責任を取っての辞任を求める声に発展する可能性があるとの声もある。政府・自民党は、問題の解明と再発防止策の実施に向けた取り組みを急ぐ構えだ。

省は疑惑を認める

「これまでに経験したことのないほどの不祥事が相次いでいる。一体何が起きているのかと不安でならない」と、自民党安全保障調査会の会長を務める小野寺五典元防衛相は水曜日、同調査会と党国防部会の合同会議の冒頭で述べた。

防衛省は、川崎重工業が潜水艦の修理契約をめぐって海上自衛隊員らに金品を贈与したり、飲食接待したりしていた疑惑について、特別防衛監察を実施すると発表した。

海自では特定秘密の取り扱いを誤った事件が相次いで発覚。また、海自の潜水士らが潜水任務手当を虚偽申告して不正受給していた疑いや、防衛官僚らによる職権乱用の疑いもある。

防衛大臣官房長官の中島孝一郎氏は、すべての疑惑を認めた。防衛省は早ければ金曜日にも、さまざまな不正行為に対する処分を発表する予定だ。

スキャンダル拡大を警戒

国内で潜水艦を製造しているのは川崎重工業と三菱重工業の2社だけであり、防衛省は28日、三菱重工業も特別防衛監視の対象にすることを明らかにした。

小野寺氏は「潜水艦以外の艦艇でも同様の不正行為がないか確認してほしい」と述べ、スキャンダルがさらに拡大することを警戒した。

政府は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、防衛費を2023年度から5年間で総額43兆円に増額する方針だ。財源確保策の一環として、所得税などを2027年度までに段階的に引き上げる方針だ。

会合に出席した議員は「納税者に負担を求めているのに、このような不正が行われていたとすれば、重大な問題だ」と述べた。

2017年、当時の稲田朋美防衛大臣は、陸上自衛隊の南スーダン国連平和維持活動に関する日報をめぐるスキャンダルの責任を取って辞任に追い込まれた。

「これは本当に異常な事態だ。早急に対策を取らなければ、事態はさらに複雑化するだろう」と自民党の元防衛大臣は語った。

1,300億円が未使用

林芳正官房長官は水曜日、記者団に対し、2023年度予算で計上された防衛費約6兆8219億円のうち、約1300億円が使われずに国庫に返還される見込みだと述べた。

規模は東日本大震災の影響を受けた11年度に次ぐ過去2番目の規模。23年度が計画を下回ったのは、防衛装備品の調達費が想定より少なかったほか、自衛隊の新規採用数が過去最低となり、隊員の給与や食費など人件費が減ったためだ。



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