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防衛白書:中国と台湾の緊張、ロシアと北朝鮮の共謀に備えよ

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中国は台湾新政権への威圧を強め、中露朝の軍事連携も深まっている。国際情勢が厳しさを増す中、日本政府は防衛力の強化を迫られている。

2024年版防衛白書が公表された。「日本は戦後、最も厳しく複雑な安全保障環境に直面している」と認識。ロシアのウクライナ侵攻のような深刻な事態が東アジアで発生する可能性も否定できないと指摘している。

特に中国が台湾周辺での軍事活動を活発化させていることに対して強い危機感が示された。

今年5月に台湾で頼清徳総統が就任したことを受け、中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した。演習地域には離島も含まれ、規模は2022年に当時米下院議長だったナンシー・ペロシ氏が台湾を訪問した際に実施した演習に次ぐものだった。

白書の分析によると、今回の訓練は台湾侵攻作戦の一部を模擬したものとみられる。中国は台湾独立を支持するとして黎氏を敵視しており、今後も台湾への軍事的圧力を強めるとみられる。

台湾情勢の不安定化は、我が国の安全保障にかかわる重大な問題です。自衛隊は、いかなる事態にも適切に対応できるよう、海上保安庁との連携を強化し、日ごろから共同訓練を積み重ねていく必要があります。

白書はまた、北朝鮮が自国のミサイル能力の向上を図っているだけでなく、ウクライナ攻撃に使用された砲弾やミサイルをロシアに提供していると指摘した。

ロシアのプーチン大統領は6月、北朝鮮を訪問し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と軍事協力を強化する新たな条約に署名した。ロシアが北朝鮮にミサイル技術を提供しているとの指摘もある。

中国はロシアに武器部品などを提供しているとも言われており、北大西洋条約機構(NATO)は今月、こうした理由で中国を非難する首脳宣言を出した。

中国、ロシア、北朝鮮の緊密な連携は、ロシアのウクライナ侵略を長期化させ、東アジアの安定を脅かす。日本としては、自衛隊の能力向上と米国や友好国との連携強化が不可欠だ。

防衛省は来春、平時にも陸海空の自衛隊を一体的に指揮する統合作戦司令部を新設する。米国も自衛隊との連絡や情報共有を円滑にするため、在日米軍の再編を検討しており、実効性のある体制が整うことが期待される。

こうした中、防衛省・自衛隊の相次ぐ不祥事には深い憂慮を禁じ得ない。自衛隊の最高指揮官である首相らは、緩んだ組織規律を徹底的に是正すべきだ。

(読売新聞2024年7月18日号より)



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