建築業者、配達員、農家など、日本に数多くあるエアコン完備の職場の恩恵を受けられない労働者にとっては、冷却ファンジャケットなどのさまざまな機器をもってしても、ますます暑くなる夏を乗り切るのに必ずしも十分ではない。その結果、生産性と安全性のバランスを取ろうとする企業は厳しい立場に立たされている。
大阪湾の人工島に建設された日本で最も著名な建設プロジェクトの一つがその好例である。
全国建設労働組合連合会（全建総連）関西支部は、昨年夏の記録的な猛暑を受け、2025年大阪万博の会場となる夢洲の建設現場で「熱中症で搬送されるケースが多発している」と懸念を表明した。NHKは、2023年9月までの半年間で、万博会場で熱中症の疑いのあるケースが8件あったと報じた。
