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認知症高齢者:思いやりのある支援で高齢者の安全を確保

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昨年、警察に届け出られた認知症患者の行方不明者は1万9千人で過去最多となった。このうち7割は行方不明になったその日に見つかったが、1カ月以上かかったケースもあった。

行方不明者が遺体で発見されるケースは少なくなく、昨年は23年以前に行方不明になった人も含め500人を超えた。死因は交通事故のほか、川や用水路での溺死、寒さの中で長時間屋外にいたことによる低体温症などが考えられている。

行方不明者の場合、発見に時間がかかるほど、事故に巻き込まれるリスクが高まります。早く発見できれば、人命を救うことができます。

認知症の症状が進むと、外出の途中で行き先を忘れてしまう人も多く、症状が軽い人でも行方不明になるリスクは無視できない。

全国の一部の自治体では、高齢者にGPS装置を装着させて居場所を知らせている。

また、認知症の人が衣服や持ち物に貼るQRコード付きのシールを配布している自治体もある。道に迷った人を見つけた人がスマホでQRコードを読み取ると、家族などに通知が届く。

行方不明の高齢者が通行人によって発見されるケースは多い。困っている高齢者を見かけたら、声をかけ、助けが必要かどうか尋ねるよう呼びかけている。

高齢者への声かけのコツとしては、驚かせないよう正面から優しくはっきりと話すことなどが挙げられます。自治体のホームページなどで紹介されているので、参考にしていただければと思います。

判断能力の低下につけこむ悪質な犯罪も後を絶たない。

最近、東京の不動産業者が認知症の人に相場よりはるかに高い価格で不動産を販売していた事件が発覚した。

業者は高齢者に電話をかけ、判断能力や家族との同居の有無などを調べてターゲットを絞り込んでいたという。業者には高齢者から財産をだまし取るマニュアルもあったという。

警察はこうした詐欺的手口に関する情報を各家庭に広め、卑劣な犯罪を取り締まるべきだ。

判断能力があるうちに老後資金を失わないように準備しておくことも大切です。家族など信頼できる人に資産運用を委託する家族信託という方法もあります。

独り暮らしの高齢者が増加する中、認知症の人を社会全体で支えていくことが必要不可欠です。

(読売新聞2024年7月14日号より)



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