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芸者や力士のための足袋を作る店

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読売新聞
Mukojima Meugaya

東京都墨田区、東京スカイツリーのふもと、押上駅から北西に徒歩約10分のところにある「向島めうがや」。足袋の形をした看板と暖簾が目印のめうがやでは、今では珍しくなってしまった足袋を取り扱っています。

この店は、江戸時代(1603~1867年)末期の1867年、現在の東京・日本橋にあった本店から「めうがや」の屋号の使用権を与えられ、台東区浅草に創業した。向島めうがやは、1923年の関東大震災後に現在の場所に移転した。


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石井良一さんは、100年前のミシンを使って足袋のつま先部分を縫っています。

店内に入ると、まず目を引いたのが大きなミシン。めうがやの5代目店主、石井良一さん(72)によると、複雑な縫製作業が可能な100年前のミシンで、約50年前に導入されたという。

石井さんは、ミシンを使って足袋のつま先部分を縫う。手でミシンのハンドルを回し、靴下を回転させながら丁寧に縫っていく。足袋作りで最も難しい作業の一つだ。かつては足袋のつま先部分を縫う専門の職人がいたほどだ。


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足袋のつま先部分の縫製は繊細な作業が必要です。

「ミシンと作業台はかけがえのないものです。今では修理が難しいので大切に保管しています」と石井さんは言う。

めうがやで作られる足袋の7~8割は特注品で、かつて夜の遊び場として栄えた墨田区向島の芸者さんたちに売られている。そのほか能役者や相撲取り、茶道や華道の先生なども顧客だ。

足袋作りは、足の採寸、型紙の作成、裁断、縫製など20工程から成る。石井さんは妻の清子さん(73歳)、息子の健介さん(46歳)らと作業を分担し、1日に10足から20足の足袋を作る。

店内には既製服も販売されており、様々な柄の足袋は見ているだけでも楽しいです。


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めうがやでは様々な足袋が販売されています。

足袋の仕上げの際、石井さんは木型に足袋を置き、木槌で足袋の上から叩いて形を整える。真剣な表情で作業する。木槌が当たる音が心地良い。

石井さんは足袋作りに45年の経験があり、道具の多くは店の創業以来使い続けている。

「伝統を守り続けるためには、技術を磨き続けなければなりません。修行は一生かかると思います」と石井さんは言う。人生の半分以上をこの業界で過ごしてきたにもかかわらず、まだ修行中だという石井さんの声には誇りが感じられた。

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Mukojima Meugaya

住所: 5-27-16 Mukojima, Sumida Ward, Tokyo

アクセス: 都営浅草線・半蔵門線・京成押上線・東武伊勢崎線「押上」駅より徒歩12分。

時間: 営業時間は午前9時から午後6時まで。日曜・祝日は休業となります。



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