2024年7月10日 14時44分(日本時間)
読売新聞は、自衛隊創設70周年を記念して、陸上自衛隊西部方面軍司令官を退役した番匠光一郎氏にインタビューした。以下は記者の上村健太によるインタビューの抜粋である。
冷戦下、陸上自衛隊は、存在と発信の権威によって日本の平和を守る「存在の時代」から、海外派遣や災害派遣など活動そのものが重視される「行動の時代」へと移行した。
いかなる状況下でも任務を遂行できる柔軟性を持つ陸自は、今後も最後の防衛線としての役割を担っていくだろう。
九州・沖縄の防衛を担う西部方面軍司令官に私が2013年に就任する以前から、南西地域での中国の動向に対する懸念は高まっていた。
南西諸島の防衛力を強化する「南西シフト」が進む中、新たな陸自駐屯地が開設され、同地域での陸自の存在感が高まっている。こうした中、陸自としては、我が国の陸海空と領土、国民を守る力を強化することが重要だ。
しかし、「北から南へ」重点を移すのではなく、北と南の両方で準備を整えなければなりません。
日本の最北端、北海道の宗谷岬からロシア極東サハリンまでは約40キロ。ロシア軍も北方領土に駐留し、ウクライナへの侵略行為を続けている。油断はできない。
防衛の本質は力であり、特に陸自の場合、その力の根源は人である。陸自には、このことをしっかりと認識し、力を強化し、外国の敵を寄せ付けない抑止力を高めていってほしい。