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臓器移植の拒否:病院側の事情で患者が移植を受けられない事態を起こさないよう徹底する

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脳死と診断された人の臓器を他の患者に移植する手術が、病院側の体制不備で実施できないケースが相次いでいる。病院側の事情で移植を受けられない患者がいる現状を改める必要がある。

日本移植学会の調査によると、移植手術件数が最も多かった東京大学病院、京都大学病院、東北大学病院の3大学病院では、過去1年間に60件以上の移植手術の断りがあった。原因は集中治療室のベッド数や人員の不足だった。

日本は他国に比べて脳死ドナーが圧倒的に少ない。そのため海外で移植を希望する患者が後を絶たず、海外での臓器移植の仲介をした疑いで逮捕されるケースもある。

一方、今回の逮捕をきっかけに臓器移植への関心が高まり、脳死者からの臓器提供は昨年、過去最高の132件に達した。しかし、増加は臓器移植を行う病院の対応力不足を浮き彫りにした。

3大学病院以外にも同様の状況の病院はあるかもしれない。国は実態把握を急ぐべきだ。移植を担当する病院の体制が不十分なら、拡充も検討すべきだ。

日本臓器移植ネットワークは、臓器提供を待つ患者の重症度などを考慮して順番を決めており、ネットワークから連絡を受けた病院ですぐに移植手術ができない場合は、別の病院で次に移植の順番が回っている患者を優先する。

患者の病状により移植手術が行えない場合には、それはやむを得ないことですが、病床不足や人員不足により、より重篤な患者への移植が行えない場合には、患者が十分にその状況を受け入れられない可能性があります。

患者が機会を逃すことがないようにするためのシステムを整備することも重要です。

病院側の事情で臓器提供が受けられない場合に備えて、患者が移植を受ける病院をあらかじめ複数選択できるようにすべきではないでしょうか。

人員が不足している場合には、複数の病院が協力して支援員を派遣し合うというアイデアもあります。

大病院で移植が断られる理由の一つは、実績のある病院に患者が集中する傾向があること。また、患者に移植に関する情報がないため、手術件数の多い病院に登録する傾向があるともいわれる。

国は移植を行う病院ごとに待機患者数や移植後の生存率などのデータを公表する方針だ。治療結果に大きな差がなければ、患者が病院を選ぶことになり、特定施設への患者の集中が緩和される可能性がある。

医療側と患者側の間で情報共有が促進され、公平で信頼性の高い移植医療体制が構築されることが期待されます。

(読売新聞2024年6月26日号より)



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