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群馬の踏切で女児死亡、警報装置や遮断機の必要性を浮き彫りに

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The Yomiuri Shimbun
群馬県高崎市の踏切で起きた死亡事故から1カ月後の5月6日、踏切に献花が行われた。

前橋 — 群馬県高崎市の踏切で9歳の少女が電車にはねられ死亡した最近の事故は、全国で発生している同様の事故の多発に注目を集め、踏切をより安全にする必要性を浮き彫りにしている。

県内の自治体は事故を受けて、第4種踏切に分類される踏切を、警報機や遮断機などを備えたより安全な第1種踏切に取り替える目標を掲げている。

6日朝、上信電鉄の第4種踏切で小学4年の渋沢きららちゃんが、警報機や遮断機のない踏切道で電車にはねられ死亡した。父の渋沢聡さん(44)は「二度とこのような悲惨な事故が起きないよう、全国で適切な安全対策が講じられることを願う」と語った。

「散歩に行きますよ!」

新学期が始まる前の土曜日、きららちゃんは親戚2人と一緒に飼い犬の散歩に出かけた。その直後、2階にいた渋沢さんはドスンという大きな音を聞いた。窓から外を見ると、親戚の1人が「きららちゃんが電車にひかれた!」と叫んでいるのが見えた。

渋沢さんは家から飛び出し、緊急停止した電車に駆け寄った。踏切から20メートルほど離れた線路の上に娘がぐったりと倒れているのが見えた。

「どうか娘を助けてください」と必死に祈った。だが、現場に到着した救急隊員が無線通信で「救助活動は不要」と言っているのを耳にし、頭の中は真っ白になった。後に、娘が線路の反対側にいた犬を追いかけて踏切に入っていたことを知った。


Courtesy of Satoshi Shibusawa
Kirara Shibusawa

次女のきららちゃんはおしゃれが大好きで、外出するときは必ず化粧をしていた。家族の誕生日にはバースデーソングを歌ったり、電子キーボードを弾いたりしていた。春休みに家族で京都へ旅行した時は、いちご飴を食べて、伏見稲荷大社で笑顔で写真を撮っていた。新学期が始まるのを心待ちにしていたようだ。

「私は親友と同じクラスになるの」と彼女は家族に話していた。

「家族の輝きは永遠に消えてしまった」と渋沢さんは言う。リビングに置きっぱなしのリュックや洋服を片付けられずにいる。高校生の長女は、いつも通学に使っている電車に乗れなくなった。リビングで寝ている長女は、「きららと一緒にいたい」という思いから、妹の遺影を飾っている。

事故を受け、高崎市は市内21カ所の第4種踏切を全て廃止すると発表した。市は、経営難に陥る上信電鉄に代わって、2025年度から警報機や遮断機を備えた第1種踏切への改修費用を補助する。

群馬県内には現在、第4種踏切が74カ所ある。高崎市のほか、富岡市、緑町でも第4種踏切で死亡事故が起きている。県は29年度末までに全第4種踏切を廃止する目標を掲げ、市町村への意向調査を始めた。きららちゃんが亡くなった踏切は25年度に第1種踏切に格上げされる。

「子どもが亡くなった。これは重大な事態だ」と高崎市の富岡健二市長は5月2日に述べた。「市民の生命に危険が及ぶ恐れがあるため、早急に必要な措置を講じる」と市長は続けて、迅速な対応の重要性を強調した。

「鉄道会社と地方自治体がもっと早く行動していれば」と渋沢さんは悔しそうに語った。彼は危険な踏切がなくなることを望んでいる。「時間を戻すことはできない。 [to before the accident]少なくとも、他の人が私と同じ思いをしなくて済むように願っています。」

東京の桜美林大学で交通政策を教える戸崎一教授は「鉄道事業者や住民だけで問題を解決するのは難しい。行政が関与し、中立的な立場で行動することが重要だ」と語った。



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