ホーム Fuji 美容整形トラブル:「あなたも美しくなれる」というキャッチフレーズに潜む危険

美容整形トラブル:「あなたも美しくなれる」というキャッチフレーズに潜む危険

8
0


シワ取りやダイエットなどの美容施術をめぐっては、契約内容や健康被害をめぐるトラブルが増えている。国が主導して実態把握に努め、被害防止に努めるべきだ。

国民生活センターによると、美容整形をめぐるトラブルの相談は昨年度、6千件を超え、5年間で3倍以上に増えた。高額な料金を請求するなど契約をめぐるトラブルが多く、健康被害に関するものも約900件あった。

老若男女を問わず、美しくなりたいという願望が高まり、美容医療への関心が高まっています。これに伴って、悪質な美容クリニックも増加していると考えられます。

健康被害については、脂肪吸引手術による死亡や、鼻を高くするための注入剤による失明など深刻な事例が相次いでいるが、その実態は詳しくわかっていない。

美容整形手術を受けたことを他人に知られたくないために、被害を報告することをためらう人もいるはずです。

このため厚生労働省は今夏にも医師らで構成する研究会を立ち上げ、美容整形による被害対策を議論する方針。被害を受けた患者から情報を収集し、再発防止策を検討することが期待される。

美容医療は、自己選択による医療行為であり、施術を受ける人が全額自己負担することから、健康保険でカバーされる施術と異なり、国が施術内容や安全性を事前に確認しているわけではありません。この点を十分理解する必要があります。

リスクや副作用について医師から説明を受け、それらと利点のバランスを見極めることが重要です。

また、超音波を照射してシワやたるみを除去する機器によるやけどなどの被害が相次いでいるほか、エステサロンで医師資格を持たないスタッフが施術を行っていたケースもあるという。

最近では、糖尿病治療薬が美容目的でダイエット効果のある薬として不適切に処方される問題も浮上しており、糖尿病患者に薬が届かないだけでなく、安易な使用で重度の低血糖や膵炎を引き起こす恐れもあると懸念されている。

専門資格を持たない人が本来の目的以外に機器を使用したり薬を処方したりすることを防ぐために、政府が一定の制限を設ける必要があるかもしれない。

近年、美容医療の分野に参入する若い医師が増えていますが、その理由としては、高い報酬が期待できるからと言われています。

一方、消化器外科や心臓血管外科などの分野では、深刻な医師不足に直面しており、その理由として、美容医療などに比べて勤務体制が厳しく、待遇も不十分であることが指摘されており、今後、こうした課題の洗い出しに努めていく必要がある。

(読売新聞2024年6月19日号より)



もっとニュース

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください