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福岡:コンシェルジュが外国人観光客に屋台情報を提供、屋台オーナーが高級料理で誘致

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読売新聞
6月13日夜、福岡市長浜の屋台群に客が集まる。

福岡 — より多くの観光客に屋台での食事体験を促そうと、福岡空港の国際線ターミナルで、外国人観光客に福岡の屋台の魅力を紹介する「屋台コンシェルジュ」サービスが始まった。

福岡市が運営するこのサービスは、最近の訪日観光客の急増に対応して6月27日に開始された。

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屋台コンシェルジュの豊島恵子さん(左)が外国人観光客に案内をしている。

同ターミナル到着ロビーの観光案内所に屋台コンシェルジュコーナーを設置。カウンターに常駐するスタッフが、英語表記の資料や地図を示しながら屋台での注文方法やマナーを説明。来訪者の好みに合った屋台も勧める。

「福岡には移動販売の屋台の種類がとても豊富です」とコンシェルジュスタッフの豊島恵子さんは言う。「多くの人に屋台の魅力を伝えていきたいです」

オンサイトトレーニング

6月24日夕方、長浜地区の鮮魚市場前の歩道で、開店準備中の屋台を見に、インフォメーションの女性スタッフ2人が来ていた。2人は空港で屋台コンシェルジュとして働くための研修の一環で来ていた。

女性たちは屋台で出されたさまざまな料理を試食し、店員と直接話をした。屋台には英語のメニューがあり、子供連れの家族も「大歓迎」だと確認した。

「屋台は福岡の本当の姿を感じられる場所だと改めて実感しました」と観光案内所のスタッフの一人、峰聖子さんは言う。「これまでは太宰府や中洲、大濠公園などを訪れるよう観光客に勧めることが多かったのですが、今ではこうした魅力的な屋台も選択肢の一つになっています」

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長浜ラーメンの本場

福岡の屋台の多くは第二次世界大戦の終戦直後に開業し、最盛期の1960年代には市内に400軒以上の屋台が営業していた。

その後、屋台の数は減少したものの、市は屋台が集中するエリアを観光地にする計画を決定し、2013年に屋台事業者の公募制度を導入した。

市は天神、中洲、長浜を福岡の3大屋台街として宣伝した。天神と中洲の屋台は急速に人気を集め、行列ができることも多かったが、長浜地区の復興には予想以上に時間がかかった。

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2019年1月、長浜では屋台の客足が少なかった。

長浜は、極細麺と替え玉(残ったスープに麺を足す)で有名な長浜ラーメン発祥の地と言われています。しかし、長浜は繁華街から少し離れているため、数年間は屋台が1軒しかなく、しかも不定期に営業していました。

市は約1年かけて長浜屋台街のPRに力を入れ、第4次募集では7店舗が名乗りを上げ、2023年6月にオープンする。

市は最寄りの市営地下鉄赤坂駅の階段や壁を暖簾や提灯で飾ったほか、期間限定でスタンプラリーやオリジナルグッズが当たるコンテストを実施した。市はLINEのメッセージアプリを活用し、特定の屋台の営業状況を確認できるようにした。

市当局によれば、こうした取り組みの組み合わせにより、長浜市への顧客誘致に一定の成果が上がっているという。

人気の屋台が登場

長浜で根強いファンがいる屋台の一つが、明太子を使った料理を提供する「めんたい忠徳」。開店前から行列ができることもしばしば。

「めんたい忠徳」を営む米光達治さんは、当初は自分の店に客が来るかどうか懐疑的だったが、立地の不利を克服する方法は一つしかないと考えた。

「屋台で食べるためにわざわざ長浜に来てもらう必要がありました」と米光さんは言う。

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屋台経営者の米光達治さん(左)が6月18日、移動販売車で客と話している。

彼は高品質の食事を提供するために料理の腕を磨き、屋台の情報を広めるためにソーシャルメディアをますます活用するようになった。

明太子料理を専門に扱う初の屋台は、あっという間に客の間で人気を博した。「料理がおいしい」「店の雰囲気がいい」といった声が聞かれた。

長浜の屋台やその他事業者らで構成する団体の代表、鳥栖大輔さんは、この地区がますます強くなると信じている。

鳥栖さんは「毎日の準備や片付けは大変だが、お客さんとの距離が近いのも屋台の大きな魅力。他の店と協力して長浜をもっと盛り上げていきたい」と話した。



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