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知事3期目:数々の課題が残る中、小池都知事はどう東京を導くのか?

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小池百合子知事は、少子高齢化という難題にどう立ち向かい、暮らしやすく活力のある首都をどう築いていくのか。都政運営を託される責任は重い。

東京都知事選は現職の小池氏が3選を果たした。争点は8年間の都政の評価だった。子どもへの月額5千円の手当など、小池氏が考案し力を入れてきた政策が一定の支持を得ていることが示された。

小池氏が今後取り組むべき課題は多い。東京には地方から人が流入し、人口は1400万人に上るが、一方で少子高齢化が進み、近い将来、東京の人口は減少に転じると見込まれている。

子どもを産みたいと望む人々が安心して子どもを産み、育てられるよう支援体制を整えるとともに、雇用やビジネスの機会を創出することも重要です。

医療や介護体制の強化に加え、首都直下地震や集中豪雨など災害への備えも急務だ。小池知事は政策の優先順位をつけて着実に成果を出すことが求められる。

小池都知事はこれまで、都庁内の少数の幹部との協議で多くの重要政策を決めてきた。トップダウン方式はスピード感のある都政運営につながっているが、急激な財政負担に見舞われた区役所などから反発も出ている。

3期目では、都政運営を高圧的に行わないよう、小池氏の調整力が試される場面も出てくるだろう。

自民党は独自候補を立てられなかった。派閥の資金隠し問題が明るみに出て与党への批判が高まり、最終的に小池氏擁立に転じたためだ。

小池氏は政党の支援を前面に出さない戦略をとった。自民党は公然の活動を控えるしかなく、その戦略は結局成功した。

一方、政党の支援を受けていない広島県安芸高田市の元市長、石丸伸治氏は、SNSを積極的に活用して若者を中心に人気を集め、有権者の支持を広げた。一方、立憲民主党と共産党の全面支援を受けた蓮舫前参院議員は支持を得られなかった。

有権者の既存政党離れが進んでいることを軽視してはならない。逆風にさらされる自民党も、共産党との共闘を生かす道を探ってきた立憲民主党も、今後の国政選挙に向けて戦略の見直しを迫られることになりそうだ。

過去最多の56人が立候補した知事選では、候補者と無関係な選挙ポスターが看板に多数貼られたほか、品位を欠いた政見放送も相次いだ。有権者を愚弄する行為をどう防ぐのか。選挙の劣化という深刻な問題も浮き彫りになった。

(読売新聞2024年7月8日号より)



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