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災害への備え / 地震による長期断水に備え、1人1日3リットルを目標に水を備蓄しましょう

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読売新聞ファイル写真
能登半島地震の被災地にある避難所で、人々がプラスチック容器に水を入れる。写真は1月に石川県輪島市で撮影。

大地震が発生すると、水道施設が大きな被害を受け、給水が停止する可能性があります。水道サービスの復旧には長い時間がかかり、長期間の断水につながる可能性があります。

そのため、飲料水や家庭での使用に十分な量の水を備蓄しておくことが重要です。災害時には、誰もが節水を意識し、できるだけ水を使わないようにしましょう。


読売新聞
大地震による断水 (最大震度7を記録)
※中央政府資料などから作成。

  • 大地震で給水施設が広範囲に被害
  • → 復旧作業の遅れによる断水長期化

近くの緊急給水基地を利用する

– 避難所、役所、学校などに設置されている給水タンクを利用する

– 肩に担げる空のプラスチック容器、ペットボトル、給水バッグなどを用意する

  • 東京で災害が起きたら
  • ● 緊急給水所213か所を設置
  • ● 自宅から半径約2キロメートル以内に少なくとも1つのステーションがあること
  • ●東京都水道局が作成したアプリで、水道の位置や運転状況を確認できる

水の使用量を減らすためのアドバイス

  • 手を洗う、料理をする、食べる
  • ● ペットボトルの底や蓋に開けた穴を使って手や食器を洗う
  • ● 紙製の食器やコップ、使い捨ての箸を使う
  • ● 食器をビニール袋やラップで覆う



  • 身体の洗浄、トイレの使用、口腔ケア
  • ● 寝具の洗浄に使う使い捨ての生理用ナプキンで体の汚れを落とし、ドライシャンプーで髪の毛の汚れを落とします。
  • ● ポータブルトイレを使用する
  • ● 食器をビニール袋やラップで覆う

家庭での備蓄水対策

家庭での備蓄水の推奨量


地方の給水施設の耐震化が遅れる


1月1日の能登半島地震では、6県で最大13万7千世帯が断水した。

被災者は避難所で飲料水や水を十分に得られず、トイレなどの衛生環境も悪化したため、被災地外への二次避難を余儀なくされた人も多かった。

水道防災の専門家で金沢大学名誉教授の宮島正勝さんは、地震後の石川県珠洲市、輪島市、七尾市の浄水場や水道管などを視察した。

「水道管だけでなく、浄水場や配水池など重要な水道施設も大きな被害を受けた」と指摘した。

彼は、被害状況の調査に時間がかかり、断水が長引いたのは、道路網の混乱や降雪だけでなく、水道サービスの復旧にあたる作業員の活動拠点の不足も原因だったと考えている。

水道管の法定耐用年数は40年。多くの自治体でこの年数に達しており、水道施設の耐震化が急務となっている。

住民は厚生労働省のホームページなどで、自分の地域の水道の耐震化の状況を確認できる。

同省によると、2022年度末時点で、国内の主要水道管の耐震化率は42・3%、浄水場は43・4%、配水池は63・5%となっている。

地方では水道施設の耐震化が都市部に比べて遅れているのが顕著で、人口減少や地方の財源・人材不足が原因との見方が多い。

宮島氏は「耐震性の高い水道施設を増やすことが重要だ。地震による大規模・長期断水はどこでも起こり得る。住民は危機感を持ち、自分の町のことだと思って備える必要がある」と話す。

東京直下の地震で水供給が26%減少する可能性


内閣府は2019年に発表した「南海トラフ巨大地震による被害想定」の中で、地震発生直後に断水が発生する地域は東海地方の一部で6~8割、関西地方の一部で4~6割に及ぶ約3570万人としている。

一方、東京都は首都直下地震により都内の水道供給の26.4%が停止すると想定している。

被害を軽減するため、東京都水道局は「水道管の耐震継手」の設置を進めている。

このタイプのジョイントでは、2 つのパイプ セクションが、一方のセクションの端をもう一方のセクションの端にあるカフに取り付けることで接続されます。カフは、地震によってパイプ セクションが引き離されても、パイプ セクションが分離しないように設計されています。

断水した場合は落ち着いて近くの給水拠点を利用するようにしましょう。

東京都は「災害時給水ステーション」を整備。災害発生時には、区市町村と連携し、非常用貯水槽などを通じて住民に水を配給する。

住民は都庁が開発したアプリを通じて、最寄りの給水所の位置や稼働状況を確認できる。

他の自治体でも緊急給水拠点を設置する場所が指定されているので、住民は事前に場所を確認しておく必要がある。

被災地の避難所、学校、公民館などに給水車を派遣します。

住民は、給水所から水を家に持ち帰るために、常に清潔なプラスチック容器を用意しておく必要があります。背負える水袋があれば、水の運搬が簡単になります。

一人当たり9リットルの飲料水を備蓄する


家庭での備えも重要だ。防災アドバイザーの和田隆正さんは「必要な量の水を常に備蓄しておくようにしたい」と話す。

災害に備えて飲料水や調理用水の備蓄の目安は、1人1日3リットル、最低3日分で1人9リットルです。

食器洗いなど日常的な使用のために、ペットボトルなどのボトル入りの水を用意しておく必要があります。

生活用水も、例えば空のポリエチレン容器に水道水を入れて確保しておく必要があります。

和田さん自身も、2リットルのペットボトル6本入りの水を3ケース備蓄している。こまめに飲み、なくなったら買い替える。一方、水道水を入れた40リットルの貯水タンクも常備し、定期的に交換している。

危機管理教育研究所の國崎伸江専務理事は「水のほかに野菜ジュースや炭酸ジュースなど家族が好きな飲み物を用意しておけば、水だけでは飽きない」と話す。

災害後の長期にわたる断水時には、これらの備蓄が最終的に不足する可能性があるため、貯水タンクを用意することをお勧めします。

タンクは住宅の外壁や床下などに設置できる。東京の災害用小型貯水槽協会によると、タンク1個あたりの貯水量は約160リットルで、水道管に直結できる。平常時は使用時にタンクに水を補給する。

災害時にはタンクのバルブを閉じ、足踏みポンプで水を汲み上げます。

国崎さんは「災害時には節水を意識し、水の使用量を減らすよう努めたい」と話す。

ペットボトルの蓋や底に小さな穴を開けると、便利な蛇口になります。また、料理を出す前には、洗わなくて済むように、食器の上にビニール袋やラップを敷いたり、衛生的なタオルを使って入浴したりするのもよいでしょう。


気象庁提供
1911年に建てられた浅間火山展望台の前に立つ人々。

浅間山の山頂に続く道の脇に、直径10メートル以上、深さ4メートルの巨大な穴がありました。重機で掘ったような穴でした。

その穴はとても大きかったので、最初はそれが火山の噴火で噴出した大量の火山灰によって残されたものだとは気づきませんでした。

日本は火山国であり、約111の活火山があり、これは世界の火山総数の約7%を占めています。

昨年の秋、気象庁職員の案内で浅間山に登りました。浅間山は標高2,568メートル、長野県と群馬県の県境に位置し、過去100年間に50回以上噴火している日本有数の活火山として知られています。

前述の穴は、高校生登山者が死亡した1950年の噴火で生じた火山灰によってできたものだと言われている。

私は安全ヘルメットをかぶっていましたが、突然この大きさの燃え殻が私の上に落ちてきたら、私も死んでしまうだろうと恐怖で震えました。

浅間山は活火山であるだけでなく、日本の火山観測発祥の地でもあり、古くから研究活動が行われています。

1911年、日本初の火山観測所が山腹に建設された。その後18年間、夏季には気象庁職員が木造の観測所に駐在した。面積はわずか66平方メートルほど。

火山の噴火を予測するため、観測所では揺れで窓ガラスが割れたり、噴火時に噴石が降ったりするなど、常に危険と隣り合わせで作業していた。

現在では、大学や気象庁が全国の火山を24時間遠隔監視し、自治体や気象庁を通じていつでも関連情報が得られるようになっているが、当時はそれが当たり前のことではなかった。

当時の人々の多大な努力があったからこそ、噴火警戒レベルなど、火山防災に関する重要な知見が今あるのです。

そんなことを思いながら、かつて観測所があった場所を眺めていた。建物は噴火による山火事で焼け落ち、今は草や苔に覆われた地震計の台座だけが残っている。

最近は火山防災教育の場として活用する動きも出ており、旧観測所がある長野県小諸市では近く文化財に指定される予定。登山ツアーも計画されている。

今年施行された改正火山対策特別措置法では、観測所が開設されてから100年以上経った8月26日を「火山防災の日」に定めている。

先人たちの苦闘の歴史に触れることは、火山防災を考えるきっかけにもなる。こうした動きが広がることを期待したい。



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