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東京電力、福島原発の溶融燃料の取り出しを中止

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災害に見舞われた福島第一原子力発電所の運営会社は、木曜日に機能不全の原子炉の一つから少量の溶融燃料の除去を試みることになっていたが、準備中に問題が発見されたため、試験的な除去を保留にした。

東京電力ホールディングスは、原発が10年以上前に大地震と津波で壊滅的な被害を受けて以来初の瓦礫撤去作業を、回収装置の設定ミスにより午前中に中断せざるを得なくなったが、次回作業をいつ行うかは明らかにしていない。

「配管の設置手順に誤りがあった理由を現在調査中」と東京電力の担当者は午後の記者会見で述べた。東京電力によると、福島県での溶融燃料の取り出し作業は金曜日には再開されないという。

東電は、長さ1.5メートルのパイプを1~5番まで5本つなぎ、これを使ってデブリ取り出し装置を2号機の格納容器内に押し込み、デブリのサンプルを採取する計画だ。

しかし東京電力によると、パイプは2、3、4、1、5番の順番で誤って設置されていたという。同社によると、木曜日の準備作業は午前7時24分に開始され、午前8時53分に中止された。

提供された写真は、2024年8月22日に、破壊された福島第一原子力発電所の燃料デブリの試験的な取り出しに使用されるパイプが間違った順序で配置されていることを示しています。(写真提供:東京電力)(共同通信)

福島県は「住民に不安を与えるような初歩的な人為的ミス」だとして、東電に再発防止策を求めた。

「慌てずに、安全かつ着実に作業を進めていくことが大切だ」と、同社が運営する別の原子炉について協議するために訪れた新潟県で、東京電力の小早川智明社長は記者団に語った。

実験では、2号機から最大3グラムの燃料デブリを約2週間かけて取り出すことを目指す。1~3号機に残る溶融燃料を全て取り出す方法は未定で、数十年にわたる廃炉計画に大きな課題が残る。

1、2、3号機には推定880トンの燃料デブリがある。

東電は、他の原子炉よりも内部の状況がはっきりしているとして、2号機を最初に燃料デブリ取り出し作業に着手することにした。

福島第一原子力発電所2号機の原子炉建屋。2024年8月22日、共同通信のヘリコプターから撮影。事故に遭った同発電所の運営会社は、同日、機能不全の原子炉1基から溶融燃料の少量の取り出しを試みることになっていたが、準備中に問題が発覚したため、取り出し実験を保留することを決定した。(共同通信)==共同通信

事故で炉心溶融を経験した3基の原子炉のうち、2号機が入っている原子炉建屋だけが水素爆発を免れた。

2号機は事故当時、運転中だったため、燃料の一部が原子炉圧力容器を通り抜けて外側の原子炉格納容器の底にたまったとみられる。周囲のセメントなどと混ざったとみられる。

計画によると、東京電力はグリッパーツールを備えた伸縮装置を使用して瓦礫を回収したいと考えている。この装置は最大22メートルまで伸び、原子炉格納容器の貫通部から瓦礫にアクセスできる。

被災した原子炉からの放射線放出を制限するための措置が講じられ、障壁としてバルブシステムが設置された。

同社によると、装置が瓦礫の現場に到着するまでには1週間ほどかかる見込み。収集された物質は分析のため茨城県内の施設に運ばれる予定。

2011年3月11日、太平洋沿岸にある6基の原子炉を有する原子力発電所は、マグニチュード9.0の地震によって引き起こされた高さ10メートルを超える津波によって浸水し、原子炉冷却システムの電源供給が停止した。

その後、1号機から3号機は炉心溶融を起こし、水素爆発により1号機、3号機、4号機の建屋が損傷し、1986年のチェルノブイリ原発事故以来、世界最悪の原子力事故となった。

東京電力は当初、2021年に2号機の瓦礫の回収を開始する予定だったが、新型コロナウイルスのパンデミックと技術的な問題により計画を3度延期した。


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