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2024年6月16日 16時06分
東京都心の名建築を一般の人が見学できるイベント「東京建築フェスティバル」が5月25日、26日を中心に開催された。建築史の専門家である大阪首都大学教授の倉方俊輔氏を委員長とする同フェスティバルは、「建築で人を感じる、街を知る」をテーマに企画された。
公開されたのは、関東大震災後から高度経済成長期(1950年代半ばから1970年代前半)までに日本橋・京橋、銀座・築地、大手町・丸の内・有楽町、神田エリアに建てられた18棟の建築物。予約不要、入場無料ということもあり、一日中長い列ができるほどだった。
公開された建物の一つは、1718年から各種ブラシの製造・販売を行っている老舗の江戸屋。1924年に建てられた木造2階建ての建物は店舗と住居を兼ねており、国の登録有形文化財に指定されている。
普段は通りに面した店舗部分のみ一般の人が入店できるが、祭り期間中は靴を脱いで店内の会計スペースに少人数で入店でき、12代目社長の濱田勝敏さんの解説を聞きながら店内を見学できるなど、来場者から好評を博した。
日本橋三越本店6階という異例のロケーションにある三越劇場が5月21日に一般公開された。この劇場は1923年の東日本大震災後、建築面だけでなく文化面でも復興を図る目的で1927年に設立された。開業当時の姿をほぼそのまま残しているが、現在も公演などに使用されているため、通常は自由に立ち入ることはできない。
イベント期間中は、建物の公開に加え、建築家や研究者による解説付きの有料ガイドツアーも40回以上行われた。主催者によると、同様の建築イベントは大阪や京都でも開催されているが、東京でこれほどの規模のイベントが行われるのは初めてだという。
「こんなにたくさんの人に見に来てもらえて、建物として一番うれしいです」と、今回の特別公開に参加した建物の一つ、ミュゼギンザとして知られる旧宮脇ビルのオーナー、川崎力弘さんは言う。