The Yomiuri Shimbun
2024年6月4日 16時23分
収益拡大のため宇宙通信サービスの開発に動き出す企業が増える中、NTTやKDDIなど通信大手は宇宙事業の拡大計画を明らかにした。
NTTは月曜日、衛星と無人機を組み合わせて宇宙と地上を結ぶ通信ネットワークを構築し、2033年度に宇宙事業で1000億円の売上を目指すと発表した。
NTTは26年に高高度通信プラットフォーム「HAPS(ハップス)」を使った新サービスを開始する予定。高度約20キロにとどまり電波を飛ばす無人航空機で、離島や洋上などでも通信が可能になる。
NTTドコモなどNTTグループ各社は、エアバス傘下の無人航空機開発の新興企業に最大1億ドル(157億円)を出資する計画だ。
NTTはまた、アマゾン・ドット・コムが計画している低軌道衛星ネットワーク「プロジェクト・カイパー」に参加し、2024年末までに日本向けに衛星2基を打ち上げ、早ければ2025年にもそれらを使ったサービスを開始したい考えだ。
NTTの島田明社長は記者会見で「宇宙の可能性を最大限に引き出し、新たなサービスを創出していく」と語った。
KDDIは26日、2030年に月面で高速大容量の5Gを使える環境を構築すると発表した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)などと協力し、レーザーなどを使った通信技術を開発し、基地局を建設する。
ソフトバンクは2027年度以降のHAPS実用化を目指している。
楽天グループの楽天モバイルは、衛星からスマートフォンへの通信サービスを2026年にも開始すると発表した。楽天モバイルは、楽天グループが出資する米国の新興企業ASTスペースモバイルの衛星を使用する。
通信大手各社は、日本政府が民間企業の宇宙産業参入を奨励していることもあって、宇宙事業に注力している。
政府は、国内の宇宙関連市場を2030年代に現在の2倍となる8兆円に拡大する目標を掲げた。
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