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日本は高速炉用燃料生産を推進、不足回避と国内エネルギー安全保障の確保を目指す

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読売新聞
高速実験炉「常陽」が木曜日に茨城県大洗町で撮影された。

政府が次世代原子炉の一種である高速炉の実用化に向け、燃料の国産化を推進する方針であることがわかった。

日本原子力研究開発機構(JAEA)が運営する、現在は停止中の高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の燃料を製造する新工場の建設を検討する。2026年度の「常陽」再稼働に備え、安定的な燃料供給体制を確立するのが狙いだ。

政府はまた、エネルギー安全保障のため、日本が独自にこうした燃料を製造する能力を持つことを望んでいる。

脱炭素発電を実現する高速炉など次世代原子炉の開発は各国で加速しており、将来的に燃料不足に陥る恐れも懸念されている。

現在、燃料の十分な製造能力を持つのはロシアだけだが、ウクライナ侵攻でロシア産燃料の調達が困難になっている。米国はロシア依存からの脱却を目指し、国内燃料メーカーを支援し、国産化を推進している。

同様に、日本も高速炉用燃料の国産化を推進する考えだ。

常陽は国内唯一の高速炉。設備トラブルで2007年から運転停止していたが、23年に原子力規制委員会の安全審査に合格。現在は26年度半ばの再稼働を目指し準備を進めている。

「常陽」では1972年以降、約680本の燃料棒が製造されてきたが、原子炉の長期停止により燃料製造は停止していた。

関係者によると、既存の燃料製造設備は老朽化しており、現状では規制委の安全審査に合格するのは困難だという。「常陽」の燃料はプルトニウムの濃度が高いため、民間で製造するのは不可能とされている。

現在、同原子炉には未使用の燃料棒が約80本保管されているが、再稼働後10年以内に燃料がなくなる恐れがある。このため、原子力機構を所管する文部科学省は、燃料不足で「常陽」が停止することを防ぐため、再稼働後10年以内に新たな燃料工場を建設したい考えだ。

新工場の建設には数百億円の費用がかかると見込まれており、国交省は近く建設に向けた本格的な議論を始める予定だ。

高速炉は使用済み核燃料に含まれるプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクルの中心的役割を担う。政府は「常陽」の運転経験を基に、経済性を確かめる試験炉や実用炉の建設を目指している。

高速炉は高速中性子の特性を利用して、従来の原子炉よりも効率的に陽子やその他の物質を燃焼させます。

同省幹部は「他国に頼らずに自国で燃料を供給できる体制を整えたい」と語った。



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