2024年7月19日 17時58分(日本時間)
日本と台湾の海上保安庁は木曜日、千葉県房総半島沖で、それぞれ巡視船を1隻ずつ派遣し、合同訓練を実施したと、日台関係筋が明らかにした。
これは、1972年に日本と台湾が外交関係を断絶して以来、両国の沿岸警備隊の間で行われる初の海上訓練だった。
中国が海洋進出を強める中、東シナ海と南シナ海での不測の事態に備え、海警局の結束を高め、現場での連携を強化するのが狙い。台湾での不測の事態への懸念が高まる中、両組織は定期的な合同訓練の実施を目指している。
台湾海警局の巡視船「順虎9号」は6月21日、台湾南部の高雄を出港し、違法漁業を取り締まるため西太平洋の公海で国際合同巡視任務に参加した。
同船はその後、燃料補給などのために7月10日から水曜日の正午まで東京・お台場の埠頭に停泊した。
関係者によると、隋湖9号は木曜日、横浜港を出港した海上保安庁のヘリコプター搭載巡視船「さがみ」と、房総半島南端と伊豆大島付近の海域で合同訓練を実施した。
参加者は、海上での救助活動を模擬し、情報共有や捜索海域の割り当て・調整などの訓練を通じて相互運用性の向上を目指した訓練を行った。
海上保安庁は6月上旬、公式発表なしに幹部職員を台湾に派遣し、5月に就任した張中龍海警局長と会談するなど、台湾海警との関わりを深めた。
昨年8月には、台湾海警局の巡視船「霍虎8号」が東京湾に寄港した。台湾の巡視船が日本に寄港するのは10年ぶりだった。
日本と台湾は2017年12月、連絡機関間で海上での捜索救助に関する覚書を締結し、双方の海上保安機関の協力を確認した。
一方、中国海警局は沖縄県の尖閣諸島周辺に艦艇を派遣し、領海侵入を繰り返している。5月下旬には台湾周辺で初めて中国の空・海・陸の合同軍事演習に参加し、「法執行パトロール」訓練などを行った。演習では尖閣諸島周辺に展開する海警局の艦艇が派遣されたことも確認された。
中国は日本最南端の沖ノ鳥島周辺を含む西太平洋で海洋調査や軍事演習も行っている。6月中旬には中国公船が日本の延長大陸棚内の四国盆地北西部にブイを設置した。
中国の海洋進出拡大を念頭に、関係国は協力を強化している。昨年6月、日本、米国、フィリピンはフィリピン北部の沿岸海域で初の合同海上訓練を実施した。先月、日本、米国、韓国は日本海の京都府舞鶴沖で初の海上訓練を実施した。