2024年7月27日 17時23分(日本時間)
ビエンチャン — 日本と中国の外相は金曜日、ビエンチャンで会談し、共通の戦略的利益に基づく互恵関係を推進することで合意したが、東京電力ホールディングス福島第1原子力発電所の処理水の放出など未解決の問題が両国間の溝を生じさせ続けている。
しかしながら、上川陽子外務大臣と中国共産党政治局員の王毅外相は、未解決の問題を解決するために対話を継続することを確認した。
今回の会談は約8カ月ぶりで、前回の会談は昨年11月に行われた。
約50分間続いた会談で、両大臣は互いの国を相互訪問することで意思疎通を継続することで合意した。
会談で上川氏は「日中間には難しい問題が少なくない」と指摘した。
また、「双方が隣国として、国際社会の一員として共存しながら、前進に向けて努力していくことが重要だ」と強調した。
その上で、中国が海洋放出問題をめぐり日本水産物の輸入禁止措置を即時撤回することや、中国に拘束されている日本人の解放、日本の排他的経済水域に設置したブイについて中国が対策を取るよう強く求めた。
これに対し、王外相は中国の変わらない立場を繰り返し、処理された水を「核汚染水」と表現した。
他の問題についても進展はなかった。
習近平国家主席率いる中国政府は、処理水の排出など未解決の問題で妥協の余地をほとんど与えず、中国を念頭に行われた日本の海上保安庁と台湾の海上警察(海上保安庁に相当)との最近の合同訓練に不快感を示した。
それにもかかわらず、中国は日本と外相会談を行った。おそらく、自国の経済が低迷する中、日本企業からの投資を誘致するため、日本との経済協力をさらに進めたいと考えているためだろう。
中国外務省によると、王氏は日本との戦略的かつ互恵的な関係を推進する中国の意向を表明し、両国間の協力強化を呼びかけた。
日本政府は、経済協力を中心に協力分野を拡大するとともに、未解決の問題解決の道を探るため岸田文雄首相と習近平主席の首脳会談の実現を目指している。