日本の中谷元防衛大臣は中国のドンジュン防衛大臣に対し、中国偵察機による領空侵犯の数カ月後にラオスで会談し、日本付近での軍事活動の激化について「深刻に懸念している」と語った。
日本当局者らによると、中谷氏は8月26日、領空侵犯を巡り中国に厳重に抗議し、同じような行為を繰り返さないよう要求した。しかし、最近両国首脳が合意したように、両国は「互恵」関係を促進するために国防当局間の対話を促進することで合意した。
中谷氏は、年次地域安全保障会議に合わせて開かれた会談の冒頭、両国が安全保障上の様々な懸案を抱えていることを指摘し、「防衛当局間で率直な議論を行い、コミュニケーションを継続していくことが極めて重要だ」と述べた。
2024年11月21日にラオスでの会談に先立って握手を交わす日本の中谷元国防相(左)と中国のドンジュン防衛相。(共同通信)
ドン氏は、両国国防当局間の対面での協議が二国間関係と地域平和にとって重要であることに同意した。しかし同氏は、中国政府が反逆的な省とみなしている台湾などの問題に関する日本の行動を中国は懸念していると反論した。
日中防衛相会談は、中谷氏が10月1日に発足した石破茂内閣の一員として現職に就任して以来初めてで、前回の会談は6月にシンガポールで開催された。
8月下旬、日本は、中国軍機が日本の南西部、長崎県の島々沖の東シナ海の海域で日本の領空を侵犯したことを初めて確認した。
中国側の調査を受けて日本政府は今週初め、中国が軍用機1機の日本の領空侵入を認めたと発表したが、乱気流による偶発的な事故であり、同じことを繰り返さない措置を講じると約束した。
中谷氏は会談中、尖閣諸島を含む東シナ海の状況についても懸念を表明した。尖閣諸島は日本政府が管理しているが中国が領有権を主張している無人島群である。中国海警局の船舶は諸島周辺の日本の領海に繰り返し侵入している。
一方、日本当局者らによると、両国は、相互信頼の構築と海空での事故回避を目的として2023年に開始された二国間防衛ホットラインを適切に運用することで合意した。
両首脳はまた、関係緊張と新型コロナウイルス感染症のパンデミックのため、2019年以来中断されている日本の自衛隊と中国軍の間の交流再開を目指し、二国間防衛対話を促進することで合意した。
この会議は、ラオスの首都ビエンチャンで開催された東南アジア諸国連合とその地域パートナーの国防相会合の合間に開催された。
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