2024年7月24日 16時09分(日本時間)
新日本製鉄は火曜日、宝山鋼鉄との合弁事業から撤退し、中国での自動車用鋼板の生産を終了すると発表した。
この提携は2004年に始まり、8月29日の契約満了を前に日本製鉄が検討していた。
新日鉄は、世界最大の鉄鋼メーカーである中国宝武鋼鉄集団の子会社である宝山鋼鉄に、50:50の合弁会社である宝山鋼鉄自動車鋼板の全株式を17億5800万元(377億円)で売却する。
この措置により、日本製鉄の中国での生産能力は約70%減少する。日本の自動車メーカーは、主に電気自動車の需要への対応の遅れにより、中国で苦戦している。
日中経済協力は、両国間の努力の象徴として1970年代に中国で製鉄所を建設したことから始まったが、今や重大な局面を迎えている。
新日鉄は中国で自動車を生産する日本企業に鋼板などを供給してきたが、EV生産を強化する中国メーカーの急成長で需要増が見込めないことや、米中対立の激化などから合弁解消を決めたとみられる。
しかし、日本製鉄は、食品缶詰などに使われるブリキ板を生産する合弁事業など、中国での他の事業は継続する予定だ。
新日鉄は上海の宝山製鉄所に技術協力した。日中国交正常化後の経済協力の目玉として1970年代に建設が始まり、1985年に完成した。このプロジェクトは山崎豊子の小説「大地の子」にも描かれている。