ホーム Fuji 岸田首相、党首続投に苦戦 9月の自民党総裁選に向けた動き始まる

岸田首相、党首続投に苦戦 9月の自民党総裁選に向けた動き始まる

8
0



読売新聞
岸田文雄首相(中央)は、金曜日に東京で通常国会の会期終了を記念し、茂木敏充自民党幹事長(左)、麻生太郎自民党副総裁とともに記念撮影に臨んだ。

通常国会が金曜に事実上閉会となり、今秋の自民党総裁選に向けた駆け引きが本格化する。

自民党総裁の座に留まるとみられる岸田文雄首相は、党内の複数の派閥が関与した最近の政治資金スキャンダルへの対応により権力基盤が弱まり、再選への道はますます厳しくなっている。

「この歴史的な転換期に、広い視野を持ち、先送りされてきた課題に対して、勇気と決意を持って解決策を見出すことが極めて重要だ」と岸田氏は金曜日の記者会見で、次期総裁に求められる資質についての質問に答えて明言した。

岸田氏は「エネルギーは十分すぎるほどある。あふれている。これからも熱意とエネルギーを発揮していきたい」と語り、引き続き首相の座にとどまる決意を示した。

岸田氏の総裁任期は9月末まで。金曜に秋に策定する経済対策に言及し、電気代やガス代の負担軽減策も発表したのは、自民党総裁選を見据えながら、20%台で低迷する支持率を押し上げようとする狙いがある。

岸田氏は、国会議員と同等の影響力を持つ党員・友愛会会員の票を集めるため、今後数日間に地方への訪問を複数回行うことを検討している。

不安定な権力基盤

岸田氏にとって、内閣支持率の反転に加え、党内の支持基盤を回復することが大きな課題だ。

2021年10月の首相就任以来、岸田政権のキーマンである麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長との関係は、政治資金規正法改正をめぐる与野党協議で岸田氏が大幅な譲歩をしたことにより、急速に悪化している。

岸田氏は金曜日に自民党衆院議員らと会談し、自身の行動への理解を求めた。「私は総裁として自民党を守るという決断をした」と述べた。

岸田氏は前日の会合を欠席した茂木派議員の否定的な発言を聞いて会合に出席。首相は自民党参院議員会合にも顔を出した。

党内には麻生派議員が法改正で大幅な譲歩をした責任を岸田氏に指摘するなど「岸田外し」の動きも出始めており、岸田氏は強い危機感を抱いている。

今後の大統領選では、スキャンダルにより多くの派閥が解散したことの影響を考えると、党議員らがどのように投票するかを予測するのは難しい。

麻生派は存続し、55人の強固なグループを誇り、岸田氏としてはどうしても確保したい勢力だ。一方、茂木氏は自らの総裁就任を視野に入れ、若手・中堅議員らと面会を重ねている。

麻生氏は岸田氏に対し、再選を目指すなら茂木氏との関係を修復し、茂木氏とその仲間を岸田氏側に引き入れる必要があると助言したと報じられている。

選挙の「顔」

総裁選は来年10月の衆院議員任期満了の約1年前に行われるため、次期衆院選に向けた党の「顔」を選ぶ意味も込められている。

政治資金問題で多くの幹部が処分を受けた安倍派や、菅義偉前首相ら非主流派には「岸田氏では衆院選に勝てない」との見方が根強く、「ポスト岸田」を模索する動きが活発化しそうだ。

党内で総裁候補として名前が挙がっている主な人物としては、知名度が高い小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、河野太郎デジタル革新担当相、高市早苗経済安全保障担当相らがいる。

他に出馬が予想されるのは、菅政権で官房長官を務めた加藤勝信氏と、当選4回で新星と目される元経済安全保障担当大臣の小林隆之氏だ。

候補者が多すぎる可能性もあり、岸田氏が出馬しても第1回投票で必要な過半数の票を集められる候補者はおらず、決選投票になるのではないかとの見方もある。



もっとニュース

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください