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岸田氏は会談を通じて欧州のアジアに対する認識を高めるが、国内問題は依然として政権を脅かす

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読売新聞
Prime Minister Fumio Kishida

By Hirotaka Kuriyama / Yomiuri Shimbun Staff Writer

ベルリン — 岸田文雄首相は米国とドイツへの訪問を終え、日曜日に日本に帰国した。

岸田氏は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議や各国首脳との個別会談を通じて、中国や北朝鮮に対する欧州首脳の認識を一定程度高めることができた。首相はその後の外交行事を機に、自らの手腕を日本国民にアピールしたい考えだ。

しかし、防衛省をめぐる最近の不祥事など、岸田氏の政権運営を安定的に進める上で困難になりそうな新たな問題も浮上している。

「欧州大西洋とインド太平洋の安全保障は切り離せないものであることがますます明らかになっている」と岸田外相は金曜夜の日独首脳会談後の共同記者会見で述べた。また、欧州ではこの認識が着実に高まっていると述べた。

中国と北朝鮮からの軍事的脅威は増大しており、日本にとって、たとえ地理的に遠く離れていても、欧州の東アジアへの関心を維持することは極めて重要である。

NATO首脳会議に参加した複数の国の代表は、さまざまな機会に「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と述べた。これは岸田外相がロシアのウクライナ侵攻について国際会議などで繰り返し言及してきたキーワードだ。

岸田首相の側近は「日本の首相が考案した言葉がこれほど流行語になったのは異例だ」と指摘。「日本が3年連続でNATO首脳会議に参加し、両国の信頼関係は強化された」と語った。

首相に随行した消息筋によると、最近のNATO首脳会議や個別会談で、多くの国の首脳が中国と北朝鮮がロシアの戦争継続能力を高めていると指摘した。首脳会議の宣言では、NATOは中国が「ロシアのウクライナ戦争の決定的な支援者」になっていると非難し、NATOが岸田氏のアジアと欧州の安全保障の不可分性に関する主張を共有していることを示した。

内閣支持率が低下し、岸田政権は苦境に立たされている。そんな中、岸田氏は火曜から木曜にかけて開催される太平洋・島サミットで共同議長を務める予定だ。

8月の中央アジア諸国訪問も調整中。秋の自民党総裁選も見据え、得意の外交で成果を出したい考えだ。

ただ、防衛省の特定秘密の不適切な取り扱いなど国内問題への対応は、防衛費の大幅増額を推し進めてきた岸田氏への批判につながりかねない。政府・自民党への批判も止まないだろう。

政府高官は「岸田外相は喫緊の課題を一つずつ克服するしかない」と語った。



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