ホーム Fuji 岸田氏の妥協で自民党指導部に亀裂、主要同盟者2人が首相に不満表明

岸田氏の妥協で自民党指導部に亀裂、主要同盟者2人が首相に不満表明

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The Yomiuri Shimbun
岸田文雄首相(右)は、政治資金規正法改正案が木曜午後に衆院を通過した後、自民党の茂木敏充幹事長と握手した。

政治資金規正法改正案が木曜日に衆議院を通過したことで、自民党総裁を兼務する岸田文雄首相と同党の麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長の間に亀裂が生じた。

法案修正交渉では、岸田氏は自民党連立相手である公明党の要求を全面的に受け入れたが、麻生氏と茂木氏は大きな妥協を警戒した。自民党執行部は機能不全に陥り、岸田政権はかつてないほど弱体化している。

50,000円のしきい値

「公明党と慎重に議論し、法案をまとめた。実効性がないと言う人もいるかもしれないが、全くの見当違いだ」と岸田氏は法案が衆院を通過した後、首相官邸で記者団に誇らしげに語った。

しかし、岸田氏は公明党の要求を受け入れ、政治資金パーティー券の購入者情報開示の基準を現行の20万円から5万円に引き下げた。岸田政権の柱である麻生、茂木両氏との信頼関係が崩れる事態となった。

「何か言いたいことはありますか」。月曜日、国会内で行われた自民党役員会の前に行われた麻生、茂木両氏との三者会談で岸田氏はこう尋ねた。しかし、三者は沈黙し、公明党に妥協しすぎた岸田氏への強い不満の表れだった。

20分間の抗議

「何を言っているのか。公明党と実務者の間では既に合意している。それを上から変更するのは普通ではない」と麻生氏は電話で岸田氏に語った。

麻生氏は30日夜、岸田氏と公明党の山口那津男代表が会談すると聞き、電話で岸田氏に約20分間抗議した。麻生氏の怒りは、前夜、都内の料亭で3人が会談した際に、茂木氏と2人が示した懸念を岸田氏が無視したことに向けられた。

5月29日の会合で麻生氏は、自民党の法案で明記されているように、開示基準額を10万円に維持しなければ、若手議員の資金調達は困難になると主張した。茂木氏は「公明党は連立政権維持の観点から、法案に反対票を投じることはできない」と付け加えた。「たとえ棄権しても、日本維新の会の支援があれば法案は成立する」。岸田氏はこの見解に理解を示した。

心は一夜にして変わる

自民党は参議院で多数派を占めていないため、岸田氏は妥協しなければ、法案が参議院に移行した際に公明党が要求を強める可能性があると懸念していた。

これにより岸田氏は考えを変えた。「法案を通さなければ、この党は終わります」と岸田氏は麻生氏に電話で伝えた。

岸田氏と両幹部の不和はしばらく続く可能性がある。麻生氏は側近らに自身の苛立ちを伝えたと報じられている。

岸田氏にとって麻生氏との関係悪化は深刻だ。麻生氏は岸田氏の後継者候補である茂木氏と首相の絆を強めてきた。政治資金スキャンダルを受けて多くの派閥が解散を決断する中、麻生氏は55人の派閥を維持しており、次期総裁選に大きな影響を与えるだろう。

自民党内には、麻生氏が岸田氏の内政・外交手腕を評価しているため見捨てないだろうとの見方もある。だが、麻生派内には、度重なる派閥裏切りや突然の岸田派解体発表に不満を持つ者もいる。派内で岸田氏への批判が高まれば、麻生氏は岸田氏と明確な距離を置く可能性もある。



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