ホーム Fuji 岐阜県美術館の現代美術展は心を動かす。時間をテーマにした2人のアーティストの作品

岐阜県美術館の現代美術展は心を動かす。時間をテーマにした2人のアーティストの作品

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宮森恵子さんは6月5日、岐阜県池田市で和紙を使ったインスタレーション作品の前に立っている。

岐阜県池田市 – 旭勝美術館は、現代美術を中心とした展覧会を入場無料、入場料も無料。岐阜県池田市池田山の麓という少々不便な場所にあるこの美術館は、完全予約制というユニークな特徴がある。先日の岐阜県への旅行で、6月5日に「時間」をテーマにした2人のアーティストの展覧会を訪れた。


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岐阜県池田市池田山の麓にある旧個人邸宅の旭勝美術館

3階建ての小さな美術館は、個人宅と付属の倉庫を改装したもの。高校の美術教師で彫刻家の長澤知明さんが、若い芸術家を応援したいという思いで私財を投じて2009年にオープンした。1階と3階は展示室、2階は事務所と交流の場になっている。1階と3階では、いつも同じ時期に2人のアーティストの展覧会が開かれている。私が行ったときは、地元の画家・鈴木瑞祥さんと、横浜とニューヨークを拠点に活動する現代美術家・宮森恵子さんの2人で、6月9日まで作品が展示されていた。

「夜寝る前に目を閉じて思い浮かんだことをクロッキー帳に描いています」。近くのJR大垣駅まで迎えに来てくださった鈴木さんは、車の中で語り始めた。「2003年5月から始めて、毎晩欠かさず描いています。でも、東日本大震災の翌日、2011年3月12日は何もしていませんでした。その時は気づかなかったのですが、津波の映像に衝撃を受けていたんだと思います」

1階の展示室に入ると、75冊ものクロッキー帳が積まれていた。現在77冊目、8000日目に近づいている。日々の心境や社会情勢に影響を受け、幾何学模様や渦巻き模様などさまざまな形の絵が描かれており、それをモチーフにした絵画が壁一面に飾られていた。

目玉と足が付いた小さな土偶も展示された。鈴木さんはこれを「メッセ人」と呼んでいる。最初はロシアのウクライナ侵略の終結を願い、ウクライナの国旗や花などの色を使って作ったが、紛争が長期化する中、現在は地球全体の平和を願い、さまざまな形のメッセ人を作っている。

木の拓本で時間を表現する


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宮森さんは、今回の展覧会のために収集された住宅の大きな拓本を手にしている。

「2021年10月から毎日TIMEプロジェクトに取り組んでいます」と、父親の介護のために日本に戻り、横浜に住む宮森さんは説明する。「木の表面に小さな和紙を置き、自分で作った紙の上で木炭をこすり、樹皮の模様を写し取ります。私はそれを『樹拓』と呼んでいますが、美術用語ではフロッタージュといいます。」

「住宅」は文字通り木を擦る作業なので、木を傷つけることはありません。神社の境内や公園など、その日行く場所によって住宅の素材となる木を選びます。小さな住宅を2枚作り、それぞれを無色透明のガラスケースに入れます。1枚が誰かの所有になったり、誰かに売ったりすると、残りの1枚を青いガラスケースに入れます。これまで集めた住宅ケースを並べると、透明と青のケースがモザイク模様になり、時間の積み重ねや人と人とのつながりを表現します。

誕生日に宮森さんから収集した住宅をプレゼントしてもらったので、私もTIMEプロジェクトに参加したことになります。3階展示室には588日分の住宅が積み重なっていました。


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宮森氏の住宅は小さなガラスケースに収められており、青いケースは2点のうち1点が誰かの所有物であることを示す。

展覧会では、天井から床まで吊るされた大きな和紙の数枚と、床に乾燥したバラの花びらなどのインスタレーションも披露された。展覧会初日には、ダンサーの西尾樹里さんがゆっくりと歩きながら和紙のカーテンを引き裂いた。その様子はビデオグラファーの伴宗馬さんが撮影し、展覧会期間中、引き裂かれた和紙に映し出された。「美しく薄い和紙が引き裂かれる瞬間を、観客に見てもらい、その時間を共有したかった」と宮森さんは語った。

日本のどこにでもあるような、比較的人里離れた風景の中に立つこの小さな美術館で、私は二人の個性的なアーティストの世界に浸りました。彼らの作品展は、都市部の現代美術館で見るよりも強く私の心に響きました。



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