ホーム Fuji 報告書:自衛隊員が手りゅう弾の危険性を十分に認識していなかったために死亡事故が発生。再発防止に向け、自衛隊は安全マニュアルを改訂へ

報告書:自衛隊員が手りゅう弾の危険性を十分に認識していなかったために死亡事故が発生。再発防止に向け、自衛隊は安全マニュアルを改訂へ

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読売新聞ファイル写真
5月の山梨県にある陸上自衛隊北富士演習場の様子。

陸上自衛隊の事故調査委員会は木曜日、5月に山梨県の北富士演習場で起きた手りゅう弾投擲訓練中に死亡した自衛隊員の事故原因について、訓練に参加した自衛隊員が手りゅう弾の危険性を十分に認識していなかったことが原因であるとの報告書を発表した。

事故は5月30日に発生し、29歳の軍曹が死亡した。軍曹は死後、一等軍曹に昇進した。



高さ約1・1メートルのU字型の防護壁の後ろから約30メートル離れた標的に手りゅう弾を投げた後、爆発した手りゅう弾の破片が曹長の首に当たった。曹長は他の隊員の近くに立って指示を出していた。

報告書は、軍曹が適切な安全手順や手榴弾が爆発した後に辿る軌道を認識しておらず、指揮官が適切な指示を与えなかったと結論付けた。

報告書によると、軍曹は防護壁の約2.8メートル後ろにしゃがみ、頭を壁より低くしていた。手りゅう弾の一部は放物線を描いて壁を越えて飛び、地面から約80センチのところで軍曹の首に当たった。

報告書によると、軍曹は参加者も手榴弾の破片で負傷する危険があることに気付かず、壁にもたれかかっていなかったため十分に保護された姿勢ではなかったという。

指揮官や近くにいた他の隊員も基本的な安全手順を理解していなかったようで、適切な指示を与えることができなかった。

手りゅう弾を投げた隊員は防護壁から約1.3メートル離れた場所にいたが、けがはなかった。

陸自のマニュアルには手りゅう弾を使用する際の安全手順が記載されており、「防護壁に寄りかかり、できるだけ早く身をかがめる」よう規定されている。

陸自は事故の再発防止に向け、マニュアルを分かりやすく改訂し、安全手順の徹底を図るほか、手りゅう弾の投擲訓練前にはビデオ視聴も実施する。



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