受賞歴のある台湾の酒造メーカーは、日本のさまざまな酒蔵と協力し、日本の酒類業界に利益をもたらすと思われる新鮮な視点を共有したいと意欲を示している。
台北で日本酒バーを経営する50代の江維寧さんは、6月にフランスの日本酒コンクール「クラ・マスター」の「純米」部門でプラチナ賞を受賞した。このイベントは「食べ物と飲み物の相性」に重点を置き、開催国の豊かな食文化を反映している。
台湾産の日本酒が受賞するのは初めてだったため、この歴史的な受賞は台湾で話題を呼んだ。「米作りでも酒造りでも、消費者と外国人(台湾人)としての私の視点が日本の飲料に大いに役立つと信じています」と江さんは語った。
日本酒バーを経営する江維寧さんは、2024年8月に台北で、自らがプロデュースした日本酒の瓶を手にしている。(共同通信)
台湾では酒米は栽培されていないが、一般的な食用米の品種は豊富だと江氏は指摘した。
彼は農業専門家のアドバイスに従い、日本の有名なコシヒカリに遺伝的に似ている「台南16号」という銘柄の培養サンプルを使用して、高く評価されている「台湾持ち帰り酒No.1」を造ることを選んだ。
名前は、在来の犬を意味する中国語「tugou」に由来しており、江氏の愛するペットにヒントを得たものである。
江氏は、低温殺菌処理されていない日本酒は口の中で爽やかで甘い味わいが広がり、普段日本酒を飲まない人にも魅力的だと語った。
台湾中部の台中にある酒造会社(台湾で酒造りができる数少ない3つの酒造会社のうちの1つ)が協力に同意し、計380本の酒が作られた。
江氏は、バイクの部品や改造の仕事をしていたが、10年ほど前に日本に滞在し、バイク関連のビジネスをしていたことがきっかけで日本酒に興味を持つようになったという。滞在中は、さまざまな種類や地域の日本酒を飲み、台北で現在のバーをオープンした。
同社は2021年、新型コロナウイルス感染拡大のさなか、メーカーと面談する時間が増えたことを機に、酒造事業に本格的に参入した。
江氏は、自身の酒蔵を持つことも目標だと語り、近い将来には「No.1」の日本酒にふさわしい「No.2」という略称の日本酒を造りたいとしている。
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