ホーム jpn 北朝鮮の金正恩氏がウラン濃縮施設を視察、朝鮮中央通信が報道

北朝鮮の金正恩氏がウラン濃縮施設を視察、朝鮮中央通信が報道

5
0


北朝鮮の国営メディアは金曜日、金正恩委員長が「ウラン濃縮基地」を視察する写真を公開し、同委員長が兵器級の核物質を生産する能力を「飛躍的に高める」ために遠心分離機を増やすよう呼びかけたと報じた。

朝鮮中央通信は、金正恩氏が核兵器研究所と兵器級核物質の生産基地を訪問したと報じた。国営メディアが国家指導者によるウラン濃縮施設の直接視察の詳細を報じたのは初めて。

朝鮮中央通信は、施設の場所や金正恩氏がいつそこにいたかを明らかにしていない。2010年、平壌は米国の核専門家ジークフリード・ヘッカー氏を同国北西部寧辺のウラン濃縮施設の視察に招待した。

視察中、金委員長はウラン濃縮基地の制御室を視察し、生産全般について学び、「兵器級核物質生産の基盤をさらに強化するため」新世代の遠心分離機の導入を求めたと朝鮮中央通信が伝えた。

北朝鮮の金正恩委員長(前列左)が、非公開の場所にある核兵器研究所と兵器級核物質の生産基地を視察した。(写真は朝鮮中央通信により一部モザイク加工されている)(朝鮮中央通信/共同通信)

金委員長は、北朝鮮が自衛力と核兵器による先制攻撃能力を強化する必要性を強調し、「米国帝国主義主導の従属勢力による核の脅威はより露骨になり、一線を越えている」と指摘したと同通信社は伝えた。

北朝鮮は2006年以降6回の核実験を実施しており、寧辺の施設で核兵器用のプルトニウムと高濃縮ウランを抽出できると考えられている。同国は平壌近郊のカンソンにも同様の施設を持っている。

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は6月、カンソン複合施設の本館の別館の建設工事が2月に開始され、利用可能な床面積が大幅に拡大したと述べた。

グロッシ氏はまた、別館は外部で完成しており、カンソン施設は寧辺の遠心分離濃縮施設とインフラの特徴を共有していると指摘した。韓国の聯合ニュースは、金正恩氏が最近視察した施設がカンソン施設である可能性があると報じた。

一部の専門家は、カンソン施設には遠心分離機の稼働環境を維持するために不可欠な空調設備が備わっていないことから、同施設はウラン濃縮工場ではなく、遠心分離機の部品を生産する施設である可能性があると指摘している。

核施設訪問の際、金委員長には朝鮮労働党中央委員会第一副部長の洪成武氏が同行しており、洪氏は同国の核兵器開発の中心人物とみられている。

東京では、木原稔防衛相が金正恩氏が兵器級核物質の生産加速を指示したことを非難し、金正恩氏は金曜日の記者会見で「北朝鮮の核・ミサイル開発は我が国と国際社会に対する脅威であり、断じて容認できない」と述べた。

木原氏は、日本は米国や韓国と協力して、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全廃棄を目指すと付け加えた。

原子力エネルギーに詳しい、東京の笹川平和財団研究員の小林由紀氏は、金正恩氏が訪問した施設には年間10~20個の核兵器に相当する濃縮ウランを生産できる能力があることを、金氏が金正恩氏が訪問した画像に写っている遠心分離機が示唆していると語った。

しかし、同研究者は、映像データでは査察した場所が寧辺なのか江原なのかは明確に示されていないと述べた。また、北朝鮮が今回核施設を公開したのは、自国の核開発を阻止できないことを世界に示すためだと同研究者は考えていると述べた。

朝鮮中央通信は別の報道で、金委員長が新型600ミリ多連装ロケット砲の性能を検証する試験も監督したと伝えた。砲弾は日本海の島の標的に命中したと付け加えた。

日本と韓国は木曜日、北朝鮮が日本海に向けて短距離弾道ミサイル数発を発射したことを確認し、東京、ソウル、ワシントンはこれらの活動を「強く非難」した。

朝鮮中央通信によると、金委員長は水曜日に特殊作戦部隊の訓練基地も視察した。


関連記事:

北朝鮮が日本海に向けてミサイルを発射、被害報告なし

米国、日本、韓国、北朝鮮のサイバー脅威に対抗する方策を協議

岸田氏の任期終​​了が近づく中、日本と韓国は関係強化で合意






もっとニュース

返事を書く

あなたのコメントを入力してください。
ここにあなたの名前を入力してください