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公正取引委員会、トヨタ系列会社が下請法に違反したと認定へ

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読売新聞ファイル写真
公正取引委員会

公正取引委員会は、トヨタ自動車系の自動車ボディービルダー会社に対し、自動車部品の量産に必要な金型を下請け業者に無償で保管させていた下請法違反の行為を繰り返さないよう訓告することを決めた。

金型は自動車や家電製品などの量産に使用され、大きなものでは高さが1メートル以上、重さが数トンにもなります。金型を使えば1日に数千~数万個の部品を連続生産できるため、納期やコストの短縮につながります。

訓告処分の対象は、横浜市に本社を置くトヨタカスタマイジング&ディベロップメントで、同社は全国の下請け企業約50社に対して不正行為を行っていたとみられる。同社は乗用車や救急車、レーシングカーなどの車体部品を製造・開発している。

トヨタ側は過失を認め、下請け業者に損害を全額支払うと述べた。

トヨタ自動車はトヨタカスタマイジングの株式の90%以上を保有している。

公取委は、価格高騰などで中小企業の経営が厳しくなる中、大企業と下請け業者の取引が適正に行われているか監視を強化していた。公取委は、下請け業者約50社がトヨタカスタマイジングに金型管理費などの支払いを請求できなかったのは、同社が契約を打ち切ることを恐れたためとみている。

関係者によると、トヨタカスタマイジングは、新規受注が見込まれないにもかかわらず、バンパーやタイヤホイールなどの製造に使う金型や検査機器など計650セット以上を下請け業者に2年以上倉庫などに保管させていた。

下請業者は金型保管のために広いスペースを使わざるを得ず、保管費用などをすべて負担していたとみられる。損害額は違反期間だけで数千万円に上るとみられる。違法行為は長期間続くのが通例で、少なくとも1件は30年近く続いていたことから、実際の損害額は数億円に上る可能性がある。

また、トヨタカスタマイジングは、下請け企業60社以上に5千万円超の車体部品を不当に返却していたとみられる。不適切な保管と返却の両方で被害を受けた下請け企業もあったことから、同社は約90社に損害賠償を行う見通し。

トヨタカスタマイジングと親会社は読売新聞の取材に対し、コメントは控えるとした。



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