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人口減少社会における空き家問題と活用のあり方

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空き家は増えているが、放置すれば倒壊の危険や治安や景観の悪化につながる。国や自治体は早急に対策を検討すべきだ。

総務省の調査によると、全国の空き家数は900万戸と過去最多となった。このうち、賃貸などに使われておらず放置されたままの空き家は385万戸に上り、20年前に比べて8割も増えている。

遠くに住む親の家を子供が相続したとしても、住む予定がなく空き家のまま放置されるケースが多くあります。空き家のまま放置された家は、湿気がたまり劣化しやすくなります。

空き家は倒壊の危険性が高まるほか、ゴミの不法投棄や空き巣などの犯罪の標的になる恐れがあり、私有財産とはいえ地域に悪影響を及ぼすなど、放置できない問題となっている。

人口減少により、今後も空き家は増え続けることが予想されており、何とかしなければいけないと思いながらも、高齢などの理由で対応できない所有者もいるだろう。

国や自治体は、まず地域の空き家の状況を確認し、所有者の意向を丁寧に聞き、必要な支援を行っていくことが重要だ。

空き家対策は、老朽化し​​た住宅を取り壊し、改修・再利用して活用することが柱となる。

国は、倒壊の恐れがある住宅や管理の行き届いていない住宅を放置し続けると、所有者に固定資産税を重く課す制度を設けた。老朽化した住宅の解体に手厚い補助金を出す自治体もある。

空き家の解体を促進するためには、こうした制度を広く国民に知ってもらう必要がある。

まだ住める住宅は自治体の空き家バンクなど物件を検索できるシステムに登録し、必要な人が利用できるようにするのがよい。単身赴任や在宅勤務が増える中、安価な中古住宅の需要は高まるはずだ。

しかし、家を取り壊すか、活用するか迷っているオーナーもいるでしょう。業者選びも難しいですし、相続した子どもたちの間でも意見がまとまらず、家族の思い出が詰まった家をどうするか簡単に決められないというケースもあるでしょう。

東京都世田谷区は、所有者の悩みを聞くため、民間のアドバイザーに無料相談を委託。不動産業者や解体業者などと連携し、解決策を探っている。地域ごとに相談体制が整うことを期待する。

家屋の中には、何世代にもわたって人が住まないまま放置され、所有者が特定できないケースもあり、災害時に解体できず復興の妨げになる。親族間で家の扱いについて事前に話し合っておくことが重要だ。

(読売新聞2024年5月25日号より)



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