ホーム Fuji 京都の川沿いのダイニングデッキではジェラートや朝食を提供。海外観光客の増加で納涼床のあるレストランが多様化

京都の川沿いのダイニングデッキではジェラートや朝食を提供。海外観光客の増加で納涼床のあるレストランが多様化

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読売新聞
京都市下京区の川沿いのテラス席のあるレストランで提供される朝食メニュー。

京都 — 日本の古都には数多くの観光名所があるが、鴨川沿いの夏のテラス席「納涼床」は最も古典的な季節のシンボルの一つとして際立っている。

鴨川沿いの二条大橋から五条大橋までの約2キロに渡って続く川床エリアは、かつては料亭や旅館のバルコニーとして利用されていましたが、近年は訪日観光客の増加に伴い、ジェラートや朝食などを提供するさまざまな店舗が立ち並び、伝統文化に触れられる場所として多くの観光客で賑わっています。

川岸の上で涼しく過ごす

「鴨川沿いのそよ風は心地よく、ここから見る緑豊かな景色は素晴らしい。京都の雰囲気を感じられる素晴らしい場所だ」と、5月下旬、バルコニー席でジェラートを食べながらシンガポールからの観光客マット・ニコルズさん(47)は語った。

バビジェラテリア京都には、新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着いた昨年以降、海外からの顧客が殺到している。今年はこれまでのところ、顧客の半数が外国人観光客だ。

「宇治抹茶味が人気です」と店長の渋谷真理さん(41歳)は言う。「川岸で涼をとるというユニークな体験に、訪日観光客も惹かれているのだと思います」

納涼床の起源は安土桃山時代(1568~1600年)に遡る。江戸時代(1603~1867年)には川沿いに約400軒の茶屋が密集していたといわれる。第二次世界大戦中は閉鎖されたが、1951年に再開された。

約60年前は、高級旅館や料亭の納涼床で芸妓や舞妓が客を京料理でもてなしていた。だが、ここ20年ほどでカフェやフレンチビストロなどの飲食店が急増している。

京都鴨川納涼床協会によると、今年は先斗町や下木屋町など川沿いの4地区で90軒が5月から9月までテラス席をオープンする。

最近では、低いテーブルにあぐらや正座で座るという伝統的な席ではなく、海外からの観光客が快適に座れるようにテーブルと椅子を設置する飲食店が増えています。


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京都市下京区の川沿いのテラス席でジェラートを楽しむ観光客。

昼間に営業しているお店

川沿いのテラス席があるレストランは、以前は夜間のみの営業だった。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行で観光客が減ったため、協会は2021年に昼間の営業も認めるようになった。

昨年2月にオープンしたカクトは、パンケーキとハンバーガーを提供しており、午前8時に開店します。

昼間の混雑を避けて早朝に京都を観光する外国人観光客がこの店に訪れることが多く、ダイニングデッキの30席は平日でも満席になることもある。

同店の従業員は接客に役立つ英語研修を受けている。広報担当の宮本結衣さんは「鴨川の近くでゆったりと贅沢な朝を過ごすのがお客さまに好評です」と話す。

京都市観光協会によると、今年4月の訪日観光客は総訪問者数の70.1%を占め、2014年の調査開始以来過去最高を記録した。多くは米国、中国、オーストラリアからの観光客だ。

飲食店の多様化が飲食フロアの一体感を損なわないようにするため、京都府鴨川条例に基づくガイドラインが設けられた。ガイドラインには、床や手すりは木製、看板は禁止、電球は暖色系、隣り合う店舗との段差は50センチ以内など、細かい規定が多くある。

「納涼床は川沿いのテラス席だけを意味するのではありません。京都の400年の歴史を誇る文化です」と協会の理事長、田中宏さん(68)は言う。「海外からの観光客もテラス席に注目しており、京都ならではの風情を守りたい」



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