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九州に長距離対艦ミサイル配備検討、近距離は極超音速ミサイル・ロケットでカバーへ

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防衛省は、2026年度にも陸上自衛隊西部方面隊(九州)に改良型の地対艦ミサイルと高速滑空ミサイルを配備する方向で調整に入った。改良型の対艦ミサイルは射程距離が1000キロを超え、現行型の数倍の射程となる。

西部方面軍第2砲兵旅団(大分県由布市)への配備は、中国の海上侵略が続く中、射程距離の異なる数種類のミサイルを配備し、南西諸島の防衛を強化するのが狙いだ。

政府関係者によると、改良型地対艦ミサイルは射程距離が数百キロの現行の12式地対艦誘導弾をベースに開発している。

この新型ミサイルが九州と沖縄に配備されれば、有事の際には既存の誘導ミサイルよりも遠くの敵艦を攻撃できるようになる。

敵の防御射程外からミサイルを発射できるスタンドオフ防衛能力は、政府が2022年に策定する国家防衛戦略の柱の一つとされており、ミサイル改良のスケジュールが前倒しされることになった。

こうした長距離ミサイルをかわして南西諸島に着地した敵部隊は、防衛省が離島防衛に配備を計画している新型ミサイル「超高速滑空弾(HVGP)」で攻撃されることになる。

滑空ミサイルは高速で落下する弾頭を搭載し、敵による迎撃を困難にする。射程は数百キロで、攻撃対象の島に近い島から発射される可能性が高い。

同時に、事前に配備される多連装ロケットシステム(MLRS)から、数十キロ離れた敵軍に向けてロケットが一斉に発射される。

同省は、長距離、中距離、短距離のミサイルによる「三層」防衛網で離島を防衛する計画だ。改良型対艦ミサイルや新型滑空ミサイルは国内防衛産業が開発する。

陸自は新型滑空ミサイルを離島防衛の切り札として活用する考えだ。政府関係者は「敵が日本領土への接近をためらうような防衛装備は抑止力につながる」と語る。

第2砲兵旅団は、32年度までに新設される予定の滑空ミサイル専門部隊の配置先としても有力視されている。



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