ホーム Fuji ロシアのボストーチヌイ港で北朝鮮のタンカーが発見される。大胆な石油製品の密輸が常態化

ロシアのボストーチヌイ港で北朝鮮のタンカーが発見される。大胆な石油製品の密輸が常態化

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The Yomiuri Shimbun

読売新聞の取材によると、国連安全保障理事会の決議に違反したとされる北朝鮮の石油タンカー数隻が4月上旬、極東ロシアの港に寄港し、石油精製製品を積んで北朝鮮に送還された模様。

読売新聞が衛星画像などを分析したところ、北朝鮮が海上での瀬取りによる密輸にとどまらず、国連のガソリンなど石油製品の輸入規制を無視するこの大胆な手法をますます利用している模様だ。

この分析は、北朝鮮の核・ミサイル開発に対して安全保障理事会が課した制裁の実施状況を監視する国連専門家パネルの元メンバーである古川勝久氏と共同で行われた。

分析では、米国企業プラネット・ラボPBCが撮影したボストーチヌイ港の複数の衛星画像に写っている船舶の形状や大きさを、外務省や国連の専門機関である国際海事機関が公開した画像と比較した。

4月1日、3日、7日、10日に撮影された画像には、北朝鮮のタンカーと特徴が一致する船舶計4隻が、石油タンクと思われる建造物近くの岸壁に停泊し、港内を航行していたことが確認された。

4月1日に撮影された船舶は、瀬取り石油輸送に関与した疑いで安保理の制裁対象となっているユソン号とみられる。4月3日、7日、10日に撮影された船舶は、それぞれウンフン号、ペクヤンサン1号、ウォルボンサン号とみられる。これらのタンカーはすべて、国連制裁に違反して北朝鮮に売却された。専門家パネルは、これら4隻が北朝鮮への石油精製品の供給を制限する安保理決議に繰り返し違反した疑いがあると指摘している。

読売新聞は、世界中の船舶の位置情報を提供するウェブサイト「海上交通」で4隻の動向を調べたが、4隻ともボストーチヌイ港への入港と出港前後で船舶自動識別装置(AIS)の信号が途絶えていた。AISは船舶の位置や速度、針路などを自動的に送信するシステム。衝突防止や航行管理に役立つため、海上人命安全条約に基づき、国際航海に出る船舶にはAIS装置の搭載が義務付けられている。4隻は、自らの動向や石油精製品の積荷を隠すため、AISの電源を切っていた可能性がある。

3月上旬、ユソン号は朝鮮半島西岸の黄海から対馬海峡を経て日本海へ出航した。同船のAISは3月9日に通信を停止した。衛星画像から、ユソン号が4月1日にボストーチヌイ港に停泊したことが確認されている。同船のこの時期の正確な動きは不明だが、4月12日にロシアのウラジオストク沖でAISが再開し、対馬海峡を経て黄海に戻った。

衛星画像には、4月10日にボストーチヌイ港付近を航行するウォルボンサン号と思われる船舶が写っている。この船舶は4月13日にウラジオストク沖で信号を発信し、対馬海峡を通過して4月20日に北朝鮮西岸の南浦付近に到着した。

2017年12月に採択された国連安全保障理事会の決議は、北朝鮮の精製石油輸入を年間50万バレルに制限した。5月の記者会見で、ジョン・カービー米国家安全保障問題担当補佐官は、ロシアは3月だけで北朝鮮に16万5000バレル以上の精製石油を供給しており、これらの輸入の年間制限はすでに超過していると述べた。

国連専門家パネルの報告書は、北朝鮮が領海内などでの瀬取りを通じて石油精製製品を密輸していたと指摘していた。

古川氏は「2024年春以降、北朝鮮のタンカーがボストーチヌイ港に寄港し、石油製品を調達している。密輸が常態化しており、国連の制裁が十分に機能していないのは明らかだ」と説明した。



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