ロイター
2024年7月4日 15時57分(日本時間)
ロンドン(ロイター) — 実物大のライオンとカモシカの人形が、ロンドンで行われた新たなパブリックアートプロジェクトの発表会で第一歩を踏み出した。このプロジェクトは、気候変動の影響から逃れるため、象徴的に中央アフリカから北ヨーロッパまで2万キロの旅に出るというものだ。
「ザ・ハーズ」は、難民の子供たちの窮状を訴えるために世界中を巡回したシリア人少女の巨大人形「リトル・アマル」の制作チームによる最新プロジェクトだ。
来年、動物の人形はコンゴ盆地からノルウェー北部まで旅し、その途中で群れは拡大していく予定だ。
「気候変動により動物の群れが逃げ出し、都市から都市へと移動するにつれ、在来種や固有種が増え、群れがどんどん大きくなっていくという構想です」と芸術監督のアミール・ニザール・ズアビ氏は語った。
主催者は、途中の町や都市で地元コミュニティを巻き込み、トレーニングやリソースを提供することを計画しています。
「『リトル・アマル』は明らかに大きな学びの連続でした。私たちは多くを学びました。主な教訓は、地元の都市、地元の市民団体、地元の市民社会との真のパートナーシップに根ざした地元の知識だと思います。それがこの活動の原動力であり、誠実さであり、推進力なのです」とズアビ氏は語った。
作業を容易にするため、人形は段ボールやベニヤ板など入手しやすい美術材料で作られている。プロトタイプは南アフリカのズアビとウクワンダ人形・デザイン・アート集団がデザインし、ロンドンのウィンブルドン芸術大学の学生がパターンを試し、人形を製作した。
動物学上正確な大きさの動物は、本物らしく見えるだけでなく、長い旅に耐えられるよう頑丈でなければならないと、デザイナーで人形遣いのクレイグ・レオ氏は語った。
「私たちは生分解性材料のみを扱っているので、実際の技術的解決策を考え出す必要がありました」と彼は語った。
「ここには、一定期間を経ても地球に還らないものは何もありません。しかし、私たちは、あまり早く壊れない構造物を作る方法を見つけなければなりませんでした。」
ズアビさんは、動物たちを都市部に連れ出すことで、人々に野生生物と自然の美しさを思い出させたいと願っている。
「私たちは演劇人です」と彼は言う。「感情的な反応を引き起こす物語を語りたいのです。そして、そうすれば行動も生み出せると信じています。」
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